Wireless Power Consortium (WPC) は、新たなワイヤレス充電規格「Qi v2.0(Qi2)」に対応した最初の充電器がこのホリデーシーズンについに登場する事を明らかにした。
Belkin、Mophie、Ankerなどのメーカーは、すでに100以上の製品を認証テスト中、もしくは認証に向けて準備している。とはいえ、この充電規格に純粋に対応している製品としては、iPhone 12以降のApple製品がほとんどだろう。
WPCの理事会議長であるFady Mishriki氏は、「WPC のメンバーが急速に Qi v2.0 を採用し、Qi2 機器用アクセサリーのエコシステムを構築しているのを目の当たりにし、わくわくしています。「Qi v2.0 がワイヤレス充電の事実上の世界標準になることを期待しています」と、述べている。
Qi2は、Apple社のMagSafeチームの協力を得て開発された「マグネティック・パワー・プロファイル」(MPP)を採用しており、機器と充電器のコイルの位置関係を整え、より高速で効率的な充電を可能にする。Qi2認定機器をQi2充電器にセットすると、標準的なQi方式の7.5Wから15Wの充電が可能になる。
これにより、Qi2デバイスは認定を受けたMagSafe充電器を使用したiPhoneと同じ速度でワイヤレス充電することが可能になり、Qi、MagSafe、または独自の充電器で異なる充電速度が提供され、混乱を招いていた状況が改善される。スマートフォンと充電器がQi2認証を受けていれば、Google、Apple、その他のスマートフォンメーカーの製品ユーザーは、充電器がサードパーティーのいずれであっても、約15Wの充電が期待できる。特にiPhoneユーザーについては、MagSafe認定製品は高価なことが多かったが、今後はより安価な製品が登場する事が期待出来るだろう。
WPC のエグゼクティブ・ディレクターであるPaul Struhsaker氏は、 「これらの認証 Qi2 充電器は、よりスムーズで高速な充電を提供し、エネルギー効率に優れ、幅広い 相互運用性を提供します。さらに、Qi2 のマグネット式アタッチメントにより、消費者は、携帯電話と充電器の完璧な位置 関係を確保するために、機器の位置を調整するのに苦労する必要がなくなります」と述べている。
アナリストは、ワイヤレス充電市場は2024年には10億台以上のトランスミッターとレシーバーに拡大すると予想している。プラットフォームにとらわれない設計の新しい Qi2 規格は、より高速な独自技術が存在するにもかかわらず、ワイヤレス充電の主導権を握るかもしれない。
WPCが1月にAndroid Authorityに語ったところによると、Qi2規格グループは2024年半ばまでに15W以上の充電速度を標準化する意向だという。急速充電が必要な場合、適切なケーブルを十分な電力供給源に接続するのが、最も確実な方法であることに変わりはない。しかし、磁気アライメントと、より普遍的な互換性により、Qi2はより広範なワイヤレス充電市場を盛り上げていくことだろう。
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