ゲーム用GPUやAI・HPC向けGPUで有名なNVIDIAは、先日大幅な収益減を報告したが、同社のCEO Jensen Huang氏は、従業員に対し、仕事の心配をする必要はないと断言したとされている。これは、Business Insider が入手した電子メールの中で述べられており、その中で同氏は、同社の現在の経営環境についての見解を述べ、NVIDIA が人工知能やその他の高度な計算が可能なチップを設計・販売する手腕により、業界で最も強いチップ企業の 1 つであり続けることを約束している。
昨日公開された決算速報では、昨今の暗号通貨関連の動きや中古市場にあふれるグラフィックスカードの状況などから、ある程度は予想されていたことだろう。むしろこれまでが、暗号通貨マイナー需要によって異常なまでに好調であったと見べきかも知れない。
ある程度現在の状態が正常な物としても、世界的なインフレや景気後退の懸念から、一般消費者の必需品以外への購買意欲は低下しており、特に今年後半に新製品を発売すると噂されているNVIDIAにとって、安価な中古GPUが市場にあふれていることは、同社が市場が調整されるまで次世代グラフィックスカードを発売することを遅らせている要因であると言われている。
NVIDIAは、暫定の発表ではあるが、ゲーム部門の売上高が、前四半期に発表した予想よりも14億ドル減少する見込みであることを明らかにしている。これにより、売上高は年間33%減、前四半期比では44%減となり、同社史上最も大きな落ち込みとなっている。
Business Insiderによると、この結果を受けて、同社のCEO Jensen Huang氏は、従業員にメールを書き、その中で、NVIDIAのファンダメンタルズは依然として強く、同社製品への需要は高いことを改めて強調したとのことだ。Huang氏は、決算速報の一部となったコメントの中で、同社は人工知能市場を獲得する千載一遇のチャンスに恵まれており、自社製品の需要に自信を持っていると強調していた。
メールの内容を一部抜粋した物は以下の通りとなる。
では、この収益減は私たちにとってどんな意味があるのでしょうか?解雇があるのでしょうか?いいえ、その代わりに、皆さんは高騰するインフレに直面しているので、家族の面倒を見るために昇給を行いました。
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私たちは、私たちの文化の特徴であるコラボレーションを徹底的に行い、活用と再利用のあらゆる機会を見出します。私たちは、時間、プロセス、材料の無駄をすべて見つけ出し、排除します。この機会に、NVIDIAをさらに速く、スリムで俊敏なものにしましょう。私たちの警戒心と敏捷性を最大限に高め、エンジンをフルスロットルにし、インパクトのある仕事を続けながら、これからの課題を飛び越えましょう。
Jensen Huang氏が従業員宛に送ったとされるメールの一部抜粋 – Business Insiderより
過去には倒産の危機に陥ったこともあるNVIDIAだが、最近は人工知能需要に後押しされ、半導体業界トップに躍り出ていた。
売上高の減少は、もちろん同社にとって大きな打撃だろう。だが、他のテクノロジー企業において解雇が続いている中で、NVIDIAはあえてそれとは別の道を行くのだと言うことを示し、更なる飛躍のための新たな賭けに出ようとしていることを従業員に伝え、鼓舞している様だ。
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