NASAは今日、フロリダのケネディ宇宙センターを襲った強力なハリケーンによって、月探査ロケットの「アルテミス1号」にどの程度の被害が起きたのか調査を始めた。
11月10日、カテゴリー1のハリケーンとしてフロリダに上陸し、その後、内陸に移動するにつれて熱帯低気圧に弱まった「Nicole」だ。これによって、ケネディ宇宙センター(KSC)の発射台39Bに設置されたアルテミス1号機を直撃した。
NASA関係者によると、オリオンのクルーカプセルを乗せたスペースローンチシステム(SLS)によるアルテミス1号は、ほとんど無傷で嵐を乗り越えたようだ。
ワシントンのNASA本部にある探査システム開発ミッション本部のJim Free(ジム・フリー)副長官は、Twitterで、「我々のチームは、ロケット、宇宙船、地上システム機器を発射台のカメラで初期視覚チェックアウトしている」と述べている。
カメラの検査によると、「緩いコーキングや天候カバーに非常に小さな損傷」が認められる程度だったとのことだ。
アルテミス1号は、宇宙船オリオンを無人状態で月周回軌道に送り込み、帰還させる。NASAは、早ければ11月16日に打ち上げる準備を進めていた。ハリケーンがスケジュールに影響を与えたかは不明だ。
アルテミス1号は4度目の打ち上げ挑戦のため、11月4日にパッドに戻された。しかし、Nicoleの接近により、NASAは予定されていた打ち上げを2日遅らせ、11月14日から11月16日に延期した。しかし、ミッションチームのメンバーは、初期の予測よりもかなり強くなった嵐の上陸まで、ロケットをパッドにとどめておくことを選択した。ただし、設計上はNicoleの風速でも余裕を持って耐えられる強度を確保しているとのことで、被害の程度も予想の範囲内なようだ。
「予想外の予報の変更により、強風の中で車両組立棟に戻るのは危険すぎると判断され、ロケットが嵐を切り抜けるには発射台が最も安全な場所であるとチームは判断しました」とFree氏は述べた。
今後検査の結果を受けて、予定通り11月16日に発射が行われるかが明かされることだろう。
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