Microsoftの市場価値は、2014年にSteve Ballmer前CEOの後任としてSatya Nadella氏が同社を率いて以来、10倍以上に上昇した。この間、S&P500種株価指数（S&P500種）は185％の上昇に留まっているため、Microsoftは過去10年間で最もパフォーマンスの高い大型株のひとつとなっている。

2024年2月現在、Microsoftの時価総額は3兆600億ドルで、Apple、Google、Metaのようなライバルを抑えて米国最大の上場企業となっている。2014年2月にNadella氏がCEOに就任したとき、同社の評価額は3,000億ドル強で、Ballmer氏が率いていた14年間で30％下落していた。

Nadella氏の下で、Microsoftはパーソナル・コンピューティングとオフィス生産性ソフトウェアにおけるリーダーとしての地位を維持できただけでなく、2024年頃の技術分野で最も重要な2つの分野、クラウド・コンピューティングと人工知能のリーダーとして頭角を現した。

それに比べ、Ballmer氏の治世では、検索とモバイルという2つの重要な分野で失速した。前者ではMicrosoftのBingはAlphabetのGoogleに遠く及ばないが、後者ではAppleとAndroidが市場の実質的な100％を占め、二強状態が定着している。Microsoftは、Ballmer時代に何度も失敗を繰り返し、モバイル分野での取り組みが結局芽を出さなかったため、Windows Phoneプラットフォームの廃止を余儀なくされた。

Nadella氏はまた、Microsoftが設立されてから数十年間、同社を象徴していたプロプライエタリでクローズド・ソースな考え方から脱却するよう舵を切った。彼の下で、Microsoftはオープンソースプロジェクトへの貢献を開始し、オープンソースライセンスの下でソフトウェアをリリースした。驚くべき動きとして、同社はコミュニケーション・ソフトウェアであるTeamsを皮切りに、社内アプリをLinux上でリリースした。

Microsoftはまた、Nadella氏の下で大口の買収も行った。2016年にはプロフェッショナル向けソーシャルメディアサイトLinkedInを262億ドルで買収し、続く2018年にはコードホスティングプラットフォームGitHubを75億ドルで買収した。しかし、Microsoftの最も話題となった取引は、2022年にゲームパブリッシャーのActivision Blizzardを750億ドルという巨額で買収したことだ。Nadella時代のMicrosoftの他の注目すべき買収には、『Minecraft』の親会社MojangやNuance Communicationsなどがある。

現代のテクノロジーにおいてAIの重要性が増していることを考えると、Nadella氏の成果のひとつは、生成AIチャットボットChatGPTとAI画像ジェネレーターDall-Eを開発したOpenAIへの投資であるに違いない。両社の関係は時に緊迫していたが、両社ともこのパートナーシップから大きな利益を得ている。

一方、Microsoft CEOとしての最初の10年間は成功を収めたものの、Nadella氏は今後複数の課題に直面する。CNBCが指摘したように、同社はいまだにハードウェア製品の収益化に苦戦しており、大々的に宣伝された拡張現実（AR）ヘッドセット「HoloLens」を含め、この部門で次々と失敗に直面している。同社のAIソフトウェア「Copilot」もまた、今のところ大衆の想像力をかき立てるには至っていない。

Source

• CNBC: Satya Nadella’s first decade as Microsoft CEO was defined by cloud. What’s next?