Microsoftは、2023年10月に買収を完了したばかりのActivision Blizzardを含む、Xbox、ZeniMax部門の従業員1900人を解雇する事がThe Vergeの報道により明らかになった。これは、Microsoftのゲーム部門の約9%にあたる。報道によれば、特に重点的に削減が行われているのはActivision Blizzardだという。買収を監督する役割を担っていた現Blizzard社長のMike Ybarra氏は、Blizzardの共同設立者でチーフ・デザイン・オフィサーのAllen Adham氏とともに別途辞任した。
The Vergeは、Microsoft Gaming CEOのPhil Spencer氏がレイオフを確認した内部メモを入手した。Spencer氏は、今回の人員削減は重複を減らし、”持続可能なコスト構造”を確立するための計画の一部であると言及。「このプロセスの一環として、私たちはチームの 22,000 人のうちゲーム従業員の規模を約 1,900 役割削減するという苦渋の決断を下しました」と、述べている。彼は、影響を受けるすべての労働者が、現地の雇用法に従って退職手当を受け取ることを保証した。Spencer氏は今後について、成長分野への投資と、”より多くのゲームを世界中のより多くのプレイヤーに”提供することへのコミットメントを表明した。
The Vergeによると、この再編成のもうひとつの大きな影響として、コードネーム「Odyssey」と呼ばれていたBlizzardのサバイバルゲームの開発も中止されたという。これはBlizzardが新たなジャンルに参入したことを示すものだったが、2年前にこのプロジェクトを発表して以来、それ以外の詳細については明らかにされていなかった。サバイバルゲームに携わっていた開発者の何人かは、「Blizzardが開発初期段階にあるいくつかの有望な新プロジェクトのひとつ」に移されることになるようだ。
Bloombergの記者Jason Schreierによると、Odysseyは6年前から開発が進められていた。開発の途中、Blizzardの幹部は、Unreal Engineでの制作からSynapseと呼ばれる自社製エンジンに切り替えるようチームに指示したと伝えられている。しかし、この技術が完成するまでに時間がかかりすぎた。ゲームの初期バージョンに対する好意的なフィードバックにもかかわらず、Odysseyの完成までにはさらに数年を要することになった。結局、Activision Blizzardは、Synapseの完成度が低いと判断し、このゲームをキャンセルしたと伝えられている。
今回の解雇は、Unityの1800人を上回るもので、ゲーム業界では今年最大の解雇となる。TwitchとDiscordもそれぞれ数百人を解雇している。今週、Riot Gamesは約530人の人員削減を発表した。。
いつものことだが、この業界でこの規模で活動しているプレイヤーから大量のレイオフが出るのは残念だが、予想外ではない。願わくば、労働組合化が進むゲーム業界が、スタジオやIPの買収や閉鎖が絶えない現状よりも、長期的に働く従業員に対して好意的な動きを見せ始めることが望まれる。
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