Micronは、既に発表されていた、米国アイダホ州ボイシで150億ドルという歴史的な投資を行って建設される新メモリ工場の起工式を行った。米国政府は、先月初めに署名された「チップと科学法」を通じて、ハイテク企業が国内チップ生産に投資することを奨励している。
SamsungやTSMCのような企業のおかげで、韓国や台湾では先進的なチップ工場が栄えているが、米国での生産能力増強はコスト面の懸念から停滞していた。しかし、今回のMicronの投資は、過去20年間で初めて米国内に建設される全く新しいメモリ製造工場となる。同社によると、世界市場で流通しているメモリのうち、米国国内で生産されているのはわずか2%に過ぎないという。
Micronの現在のスケジュールでは、ボイシ工場の実際の建設は2023年初頭に開始される予定だ。クリーンルームは2025年から順次利用可能になるとのこと。その年の後半には、DRAM製品の生産が開始される予定だ。しかし、この工場が本格的に稼働するのは、60万平方フィートのクリーンルームスペース全体が使用可能になる、2030年以降になる予定だ。
Micronは、既存の研究開発センターに近接するこの新製造施設に、総額150億ドルを投資する見込み。また、同社は、本格的な生産が開始されれば、同施設で最大2,000人の従業員を雇用するとしている。更に、同社は、今回の投資により、同州に17,000人以上の雇用をもたらすと付け加えている。加えて、Micronは、この地域の幼稚園から大学レベルの教育プログラムを強化するために、さらなる資源を投入する予定としている。
Micron社長兼CEOのSanjay Mehrotra氏は、「この施設によって、研究開発と製造が密接に連携し、相乗効果によって先端メモリ技術の生産立ち上げを加速することができます。」と、声明を発表した。
Micronによると、メモリ分野の売上は現在から2030年にかけて倍増すると予想されている。メモリの増産に依存する主な成長カテゴリには、人工知能、5G、データセンター、自動車などが予想される。同社は、ボイシの工場を活用してこの増収の大部分を獲得する態勢を整えており、2030年代には米国ベースのDRAM生産が世界生産の40%を占めると野心的な予測を発表している。
コメントを残す