Apple(アップル)のMagSafeは、発売以来そのユニット部分が真っ白な円形のものを標準としていたが、最新のMagSafeモジュールでは、サードパーティーが、より多様な素材を用いることが可能になり、カラーバリエーションの多様化や、様々な素材を用いた充電器が登場する可能性がありそうだ。
MagSafe充電器は、最大15Wでの高速ワイヤレス充電が可能になり、マグネットで固定することによって、ワイヤレス充電の接触不良による充電ミスを防止する優れたソリューションであるが、特にケースなどは対応アクセサリでは充電面に「真っ白い円」のユニットを搭載する事が必要であり、デザイン的に優れたものとは言いがたかった。
だが、今回、AppleがMFiプログラムにいくつかの変更を加え、異なる素材でカバーし、スタイリングできる新しいMagSafeモジュールを導入したことが、AppleInsiderによって報じられている。
Appleの公式MFiコンポーネント
Appleが定めた接続方法のいずれかを使用したアクセサリを作成するために、サードパーティーは、Appleの公式コンポーネントを使用し、厳格な認証プロセスを完了する必要がある。
例えばApple Watchの充電器や、Lightningコネクタなど、これらApple独自の充電規格について、Appleは充電モジュールを直接メーカーに供給し、メーカーはその製品に組み込んでもらうことで、製品が製造される。
Appleは、その製品をさまざまな安全性と性能のテストにかけた後、認定し、専用のIDを割り当てる。これは、充電器があなたが利用するデバイスにとって安全であり、Appleの定める厳格な基準を満たしていること、そしてあなたがAppleから直接購入するのと同じ品質であることを保証するものだ。テストと認証を受けたデバイスは、箱の側面にあるMade for iPhone(またはMade for Apple Watch)のロゴを付けることが許される。
メーカーは、この認証を取得するために多大な労力と費用を費やしており、消費者にとっては信頼性の証となっている。(これがAppleが長らくLightningコネクタを手放したがらなかった理由でもある)
MagSafeもこういった認証を経て初めて「MagSafe対応」と呼ぶことが許されるのだが、最近までAppleから供給されるMagSafe充電のコンポーネントは、一様に真っ白なシリコン製のソフトタッチのものが用いられていた。これがデザインの多様化を阻む要因ともなっていた。
MagSafeを巡る混乱
だが、Ankerのモバイルバッテリーなど、一部のMagSafe対応アクセサリは既に色々なカラーバリエーションがあるではないかと思われる方もいるかも知れない。
これは、AppleがiPhoneをワイヤレス充電するために「Qi(チー)」と「MagSafe」の2通りの規格に対応していることに起因する。
つまり、前述のAnkerのモバイルバッテリーは、マグネットで貼り付くQi充電器であり、MagSafeではないため充電速度もMagSafeのような15Wでの充電は提供していないのだ。そのため、Made for iPhoneバッジはもちろん付いていない。
今回、Appleは新たにMFi公式のMagSafe充電器を発表した。公式パーツを利用しているため、15W高速充電が可能な上、これを使って充電面をさまざまなスタイルに加工することが出来る様になる。例えばダークカラーにしたり、高級レザーの表面、楽しい柄のカバーなど、さまざまなMagSafeを実現できるとのことだ。
この新たなMagSafeデバイスの第一弾が、Ankerの新しい3in1 MagSafe cubeとなる。これは、白い円ではなく、よりシームレスな上面に盛り上がったラバーリングが特徴となっている。
これは現在、15Wの高速ワイヤレス充電に対応する、初めてのカラーバリエーションを備えたMagSafe充電器だ。ちなみに、AppleInsiderによると、いくつかのメーカーが同様の様々な素材のMagSafe充電器の開発を現在行っているそうだ。
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