Magic LeapのAR(拡張現実)グラスの第2弾「Magic Leap 2」を米国、英国、EU諸国を含む19カ国で販売開始した。このメガネはまだ開発者やプロを対象にしているが、多くのデザインのアップグレードが含まれ、かなり実用的なものになっており、一般ユーザーにとっても(価格を気にしないのならば)魅力的な内容になっている。
既に発売前に多くの情報は明らかになっていたので、詳細はそちらに譲るとして、大きな変化は全体的なデザインだろう。第1弾の「Magic Leap」よりも50%小さく、20%の軽量化(316グラムから260グラムにスリム化)が図られている。これにより、長時間の装着も快適になるはずだ。Magic Leapは、バーチャルコンテンツをより立体的に見せる「ダイナミック・ディミング」によって、明るい場所でのARの視認性向上も体感できるという。レンズの光学系は、より高品質の画像と読みやすいテキストを提供するものにアップグレードされ、同社は同等のウェアラブルよりも広い視野(対角70度)を誇るとしている。
「コンピュート・パック」に搭載されたクアッドコアAMD Zen 2ベースのプロセッサー、12.6MPカメラ(さらに深度、アイトラッキング、視野角のための多数のカメラ)、ジェスチャー用の60FPSハンドトラッキングなどのパワーが期待できる。使用時間は3.5時間となるが、256GBのストレージ(AR専用デバイスとしては最大:Magic Leapによる)は、より洗練されたアプリを入れるためのスペースを提供する。
これだけの機能を詰め込んだものなので、価格は安くはない。Magic Leap 2のベースモデルは3,299ドルで、追加のツールや企業向け機能、社内での早期利用を望む開発者は、4,099ドルのDeveloper Proエディションを選択できる。また、法人向けには、4,999ドルのEnterpriseモデルがあり、定期的なアップデートと2年間のビジネス機能が含まれている。
個人で使用するといったことはほとんどなさそうだ。実際、Magic Leapのサイトでも、個人用途での紹介はなされず、医療、産業、小売、など、これを使う事で利益に繋がるような場面を想定した紹介している。ただ、この存在は今後のAR技術の方向性を示しており、そういった意味では興味深いものとなっている。何より、初号機のMagic Leapのかさばりボッテリしたボディからの進化は素晴らしく、今後はより多くの場面での使用に繋がるのではないかと予想される。
なお、日本での発売は2022年末を予定しているとのことだ。
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