Appleが先日発表した「M2」チップは、GPUコアが増えたことによる印象的なグラフィックパフォーマンスの改善を見せたが、3nmプロセスへの移行はなく、TSMCのN5P(5nm)だった。うわさではTSMCは2022年末から3nmプロセスの量産を開始し、次期MacBook Pro及びMac mini用のM2派生版からAppleの3nmチップの歴史は始まるようだ。
AppleのM2 ProおよびM3チップはTSMCの3nmプロセスにより大幅な省電力化のうわさ
台湾メディアのDigiTimesによると、AppleのM2 ProとM3チップは、3nmプロセスを採用するとのことだ。同社はチップの製造にTSMCを選択し、2022年後半に量産を開始すると伝えている。TSMCが今年の後半に3nmプロセスの製造を開始するとのうわさは以前からあったが、改めて伝えられた形となる。
先日、Bloombergの記者Marc Gurman氏によってAppleがM2のアップグレード版を搭載した少なくとも4台の新型Macを開発しているとの報告もあった。Gurman氏は、AppleがMacBook Proの上位モデルだけでなく、Mac miniにもM2 Proチップを採用すると報じていた。MacBook Proの上位モデルにはM2 Maxチップも搭載され、以前のうわさも合わせると、これも3nmプロセスを採用する物と見られる。
新しいMacBook AirとMacBook Proに搭載されているAppleのM2チップは、TSMCの5nmプロセスで製造されている。ちなみに、昨年のM1 ProとM1 Maxも同プロセスをベースにしている。もし同社が3nmプロセスを採用すれば、M2 ProとM2 MaxはAppleシリコンは次の段階に進むことになる。
ただし、現在判明しているTSMCのN3プロセスは、N5Pに比べて劇的にパフォーマンスが向上する物とは見られていない。N5に比べると、M2に採用されているN5Pは5%程度の性能向上、対してN3は10%〜15%とのことなので、N3はN5Pに比べて4%〜9%の性能向上になるのではないだろうか。ただ、消費電力の削減幅はかなり大きく、現在のM2チップに比べても20%以上の電力削減が見込めそうだ。
N5P vs N5 | N3 vs N5 | N5P vs N3 | |
---|---|---|---|
消費電力 | -10% | -25-30% | -17-23% ? |
パフォーマンス | +5% | +10-15% | +4-9% ? |
もしこのニュースが事実で、Appleが3nmプロセスに乗り出すとしたら、Appleの次世代フラグシップチップの性能も楽しみな物になりそうだ。
コメントを残す