LGは既にスマートフォンの製造からは手を引いているが、同社はCES 2023で発表予定の、4倍から9倍のロスレス光学ズームを可能にする新しい光学ズームレンズモジュールの開発など、スマートフォン向けのソリューションを提供し続けている。
「Optical Telephoto Zoom Camera Module(光学望遠ズームカメラモジュール)」と名付けられたこのデバイスについて、LGは「主にデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラなどのプロ用カメラに適用されている望遠カメラ機能を統合し、スマートフォン用に開発したマイクロコンポーネント」と説明している。
スマートフォンカメラの望遠ズーム自体は目新しい物ではないが、このLGのモジュールが異なるのは、4倍から9倍望遠ズームの間を無段階に切り替えられる点にある。
例えばiPhone 14 ProやPixel 7 Proなどに搭載されている望遠機能では、光学望遠の倍率が固定であるため、その倍率からはずれた設定に切り替えるとデジタル望遠に切り替えられるため、画質が大幅に低下する。例えば、iPhone 14 Proは3倍の光学望遠レンズが搭載されているが、3倍から少し下げた2.8倍などで撮影する際には、デジタル望遠になるため、ユーザーは画質が急に悪くなることを感じたことがあるだろう。
デジタルカメラなどでは光学式ズームレンズは目新しい物ではないが、スマートフォンサイズに収めることは至難の業だ。ちなみに、この光学式望遠ズームレンズを搭載しているスマートフォンには、SonyのXperia 1 IVがある。
ただし、今回LGのセンサーが他と違うのは、そのサイズだ。LGによると、スマートフォンのカメラの段差の問題を解決するために、モジュールの厚さを最小限に抑えているとのことだ。これは、新しいレンズ設計と、モジュールの構造変更により実現したとのことだ。
また、SonyとSamsungがQualcommと提携したように、LGもQualcommと提携し、新しい光学ズームレンズモジュールをSnapdragon 8 Gen 2プロセッサアプリケーションに組み込むことで、Snapdragon 8 Gen 2プロセッサを搭載したスマートフォンでLG Innotekレンズモジュールを使って鮮明な望遠撮影ができるようになっている。
LG Innotekは、このカメラモジュールによって「スマートフォンのカメラモジュール市場で世界No.1の地位を固める」とプレスリリースで発表している。同社の最大の顧客には、Appleがいるが、次期iPhone 15は、ペリスコープ式の光学望遠レンズを搭載されると噂されている。今回のカメラモジュールが搭載されるかは不明だが、LGはスマートフォン向けカメラソリューション分野において、2023年の更なる飛躍を目指しているようだ。
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