Elon Musk氏のxAIは、宇宙の本質を理解する「最大限の真実を追求するAI」という崇高な目標を掲げ、独自のAIを開発していると思われたが、どうやら今のところは理念とはほど遠く、更にはOpenAIのChatGPTを盗用している疑惑も浮上している。このAIモデルはOpenAIのGPTの応答をそのまま再現しているようで、例えばある問い合わせに対して、「そのリクエストはOpenAIのユースケースポリシーに反するので、残念ながらお受けできません」と、なぜかOpenAIの名前を出すなどの失態を演じているのだ。
今のところ、Grokは最大25,000文字のプロンプトを解釈することができる。LLMは、The Pile(どこにでもあるAIモデルのトレーニングデータセット)だけでなく、Xから提供された山のようなデータでもトレーニングされている。さらに、GrokはXソーシャルメディア・プラットフォームとの統合により、リアルタイムの情報にアクセスして解釈することができるようだ。
先日、Musk氏はGrokのAIモデルをXプラットフォームの全有料会員に展開すると発表した。この新モデルをテストするため、プロのハッカーであるJax Winterbourne氏はGrokに悪意のあるコードの修正を依頼した。それに対してLLMは、OpenAIのGPTの応答を一字一句そのまま再現し、出力テキストでOpenAIのポリシーに言及までしているというのだ。
さて、では実際にGrokはOpenAIのGPTから派生したのだろうか?それとも吐き出された反応はモデルの幻覚の結果であろうか?
xAIのエンジニアIgor Babuschkin氏はこれについて以下のように説明している:
ここでの問題は、ウェブにはChatGPTの出力がたくさんあるため、Grokを大量のウェブデータで訓練したときに、誤ってそのいくつかを拾ってしまったということです。最初に気づいたとき、これは私たちにとって大きな驚きでした。
Babuschkin氏は、「この問題は非常にまれなものであり、この問題を認識した以上、今後のGrokのバージョンにはこの問題が発生しないようにします」と問題の対応を約束した。そして、OpenAIのコード盗用疑惑について「Grokを作るためにOpenAIのコードは使われていません」と断言している。
真実がどこにあるのかは不明だが、これはまた、現世代のAIモデルが言語を理解することも思考することもないとする意見を裏付ける物でもある。
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