Intelが2021年にPat Gelsinger氏をCEOに復帰させたとき、彼はすぐに、半導体の世界でかつての栄光を取り戻すために大胆な戦略に乗り出すと発表した。この新戦略は統合デバイス製造(integrated device manufacturing: IDM)を意味する言葉から、IDM 2.0と名付けられた。この戦略で最も野心的だったのは、「4年で5ノード」と名付けられたプロセス技術のロードマップであり、TSMCなどの競合他社を飛び越えるためにノードからノードへと急速にジャンプする必要があった。このロードマップは、2025年の18A(1.8nm)プロセスで終了するが、同社はついに18Aのその次に来るものを示すようだ。
Gelsinger氏がIntelのトップに復帰したのは2021年2月のことで、IDM 2.0はその年の3月に打ち出された。そして今回Intelは2024年2月、IFS Direct Connectと呼ばれるイベントを開催すると発表した。イベントのランディングページによると、このイベントでは同社の半導体プロセスの次の進化に光が当てられると伝えられている。このイベントは表向き、ファブレス企業にIntelに将来の製品を製造してもらうよう説得するためのもので、業界のリーダーシップ、先進プロセス、パートナー・エコシステムなどを紹介する予定だ。
Intelのロードマップの更新は、それだけで将来を垣間見ることができ、注目に値する。しかし、更新が非常にまれであるという理由だけでも注目に値する。結局のところ、現在のロードマップは2021年に発表された物で少し古くなった。新たなロードマップは少なくとも2030年までの同社の計画を描く物と想像される。というのも、TSMCは1週間前にロードマップを2030年まで更新しており、Intelもそれに対抗する何かを示す必要があると考えられる。TSMCの更新されたロードマップでは、同社は2025年に2nmから2027年に1.4nmへと進み、最終的に2030年までに1nmトランジスタへと移行することが示されている。
偶然にも、IntelのGelsinger氏は以前、TSMCと同様の抱負を発表しており、昨年、2030年までに1兆個のトランジスタをパッケージに搭載できるようになるとの見通しを述べている。しかし、仮にIntelが2024年に20A(2nm)、2025年に18A(1.8nm)という量産目標を達成できたとしよう。その場合、TSMCは2025年まで3nmにとどまると予想されるため、理論的にはTSMCを抜き去り、半導体のナンバーゲームにおける王座を奪還することになる。しかし、Intelは約束通り2023年にMeteor Lakeを発表しており、遅れの評判を払拭するために全力を尽くしているようだ。
Intelのイベントは2月21日に開催され、同社のトップが登場する。同時に、2024年は同社にとって、データセンター向け製品のIntel 3とデスクトップ向けチップのIntel 20Aを含む、さらに2つのノードに移行することが予想されるため、勝負の年となる。Intel 3は第1四半期に、Intel20Aは年後半に登場する予定だ。
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