Intelは、オーバークロックせずに6GHz動作を実現する史上初のCPU「Core i9-13900KS Special Edition」を発売した。そして、基本消費電力が250Wという、史上最も電力を消費するデスクトップCPUでもある。
Intelは、このチップを2022年半ばから予告しており、デフォルトでの6GHzのみならず、13900Kがオーバークロックで、史上初めて9GHzを達成した事もあり、エンスージアストの期待を受けた中での発売となる。
ただし、クロックが上がっただけで、その他の新しい機能はない。13900KSは、先に発表された13900Kと同様に、8つのパフォーマンス・コアと16の効率的なコアを大小の配列で搭載しているのが特徴だ。唯一の違いは、Intelがチップの速度を全面的に200MHz向上させ、最大ターボを6GHzに引き上げ、熱設計電力(TDP)を向上させたことだ。
このチップは、13900Kよりも25W高い150Wのプロセッサベース電力(PBP)を持ち、ベースTDPでは世界で最も電力消費の多いデスクトップPC用プロセッサとなる。Intelは、最大ターボパワー(MTP)仕様を253Wに指定しているが、新たにExtreme Power Delivery Profileを搭載し、最大320W、ICCMax 400Aまで可能になっている。このプロセッサは、このピーク消費電力での動作が完全に保証されている。
Intelのデモでは、Corsairのオールインワン水冷クーラーを使用して、2つのコアで6GHzを達成するチップを示した。しかし、このテストは7zipベンチマークを実行したもので、特に2コアに限定した場合は、特に負荷がかかるものではない。また、Intelはこれらのテストにおいて、チップがどのような温度を記録していたのかも示していません。このチップのピーク周波数は、IntelのThermal Velocity Boost(TVB)技術に依存しており、6GHzのピークを達成するには、チップがあらかじめ設定された温度(70℃)以下でなければならないことを意味している。当然ながら、カスタム水冷システムを搭載したシステムが最大の性能を引き出す。
Intelのドキュメントによれば、TVBとは、サーマルヘッドルームの量と利用可能な電力予算に基づいて、より高いクロック速度を可能にするブーストアルゴリズムのことを指している。基本的には、チップが冷却され、電力にアクセスできる限り、最大定格速度までブーストし続けることができるのだ。
Intelのドキュメントによると、TVB周波数は特定のコア数にロックされていない。十分な電力予算と冷却があれば、理論上は8つのパフォーマンスコアすべてで6GHzを達成することができるだろう。
昨年末、ASUSのオーバークロック・チームは、Intelの標準的な13900Kを9GHzで動作させることに成功している。Intelは13900KSのために、精選した13900Kシリコンを選択しているので、同社が提供する非常に優れたシリコンの一つであることが保証される。価格は、店頭販売価格123,800円となっている。13900Kが発売時106,800円、現在8万円台後半である事を考えると、少し割高感は拭えないが、KSモデルに余分に支払うことで、シリコン抽選の確率が上がり、実質的に最高のものを手に入れることが保証されるため、オーバークロッカーにとってこのチップは非常に魅力的だろう。これらのチップは数量限定で販売される予定だが、Intelは何個販売されるかは明らかにしていない。
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