Intelは、イスラエルのハイファに計画していた2億ドルの開発センター「IDC21」の建設計画を中止したようだ。イスラエルの経済誌『Globes』によると、ハイテク研究開発センターは、アウトドアスポーツ、緑地、ポップアップレストラン、屋上のヘルスセンターやスパなど、快適な設備を備えたものとして構想されていたが、現在は駐車場として利用される事が計画されているという。
IntelはGlobesに声明を出し、IDC21計画の廃止は同社による広範なコスト削減の一環であると述べている。「Intelは、コストを削減しながら、従業員のためにダイナミックで快適な職場環境を作り出すことを目的として、不動産の使用を最大化するために行動しています。そのため、IDC12 の建設を中止し、駐車場の建設を完了することにしました。」
ここ数ヶ月続くテクノロジー企業に吹き荒れる不景気の波は、Intelにも厳しいものだ。
特に、2022年の終わりには、金利の上昇と世界的な景気後退の懸念の中で、数四半期にわたってIntelの好調な収益を支えてきたPC消費が急落した。
同社にとってさらに悪いことに、これまで掲げていた壮大なプロジェクトがインフレによる大きな影響を受けていることだ。昨年8月、Intelは、アリゾナ州に2つの最先端工場を建設する200億ドルの計画が、現状では300億ドル近いコストになることを認めた。
Intelは10月の第3四半期決算発表の際に、2025年までに「相当数の」従業員を解雇し、年間約100億ドルの支出を削減すると発表している。このニュースは、同社の売上高が前年同期比20%減の153億ドルに落ち込んだことを受けてのものだった。
そして今回、イスラエルのIDC21の計画が中止になったのだ。
このニュースは、Intelが以前発表したドイツのマグデブルグでのファブ・プロジェクトに対する懸念を払拭しようとしているときに飛び込んできたものだ。Intelは2022年初頭にこのプロジェクトを発表したが、12月にはプロジェクトは保留になっていた。
今週、IntelのChief Global pperations OfficerであるKeyvan Esfarjani氏は、ドイツ政府との間で最終的な資金調達の詳細を詰めた後に、プロジェクトを再開すると述べている。Intelのアリゾナ工場と同様、エネルギーと原材料のコスト高騰と半導体需要の減少が延期の原因となっている。Intelは現在、このプロジェクトの費用は220億ドル弱になると予想しており、ドイツ政府に対して支援を増やすよう説得することを望んでいる。
Intelがこのような駆け引きをするのは今回が初めてではない。昨年初め、520億ドルのCHIPS法の議論が長引く中、Intelはオハイオ州のメガファブの着工を延期し、政府支援の必要性を印象づけた。結局、法案は可決されたが、Intelがどれだけの資金を手にすることができるかは、まだわからないままだ。
Source
- Globes: Intel cancels new Haifa development center
- via Tom’s Hardware: Intel Haifa Development Center Cancelled, Site to Be Parking Lot
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