Googleが発表した、同社独自の最新SoC「Tensor G3」について、発表後も仕様の詳細は明らかにされていないが、このTensor G3の量産には最新のものではなく、Samsungの旧型の4nm製造プロセスが使用されている可能性があるようだ。
Tensor G3のCPU構成については、過去のリークですでに語られており、チップセットは9コアCPUとMali-G715 GPUを搭載している。構成自体は特に問題ないのだが、Notebookcheckによると、このTensor G3の製造プロセスはSamsungの新しい4nm LPP+ではなく、旧型の4nm LPPだという。4nm LPP+という新しい製造プロセスはExynos 2400専用である可能性があり、来年のTensor G4もこのプロセスで製造されるようだ。
Tensor G3は旧型のノードで大量生産されるため、Googleがチップセットの価格を大幅に節約できるのは間違いない。Snapdragon 8 Gen 2はQualcommのスマートフォン・パートナーに160ドル、Snapdragon 8 Gen 3は更にそれよりもコストがかかると言われているが、Googleはその代わりにTensor G3自体の価格は抑え、その他の機能にコストをかけ、ソフトウェア面での差別化を選択したようだ。以前のシングルコアとマルチコアのGeekbench 6のリークで明らかになったように、CPUの生パフォーマンスでは遅れをとっているが、Googleは画像と動画の両方でPixel 8とPixel 8 Proの能力を高めることに成功している。
残念ながら、Samsungの劣る4nm LPPプロセスを使うことの欠点は、電力効率の低さだ。GoogleがTSMCのファウンドリーに切り替えない限り(Tensor G5の登場までには切り替わらないと思われるが)、おそらく同社のチップセットは競合他社に遅れをとり続けるだろう。Pixel 8の分解動画では、Googleが銅とグラファイトフィルム、そして熱伝導グリスを使って熱を伝えやすくしていることが明らかになったが、オーバーヒート問題を緩和する効果はほとんどなかった。小型バージョンは、同じTensor G3を売り物にしながら、結局Pixel 8 Proより11%遅い。
Googleは、Tensorチップをフラッグシップ・レベルで競争させるために、いずれはファウンドリを変更するか、より高度な製造プロセスに切り替える必要があるだろうが、Pixelの年間出荷台数は限られているため、同社が他の大手企業と肩を並べられるようになるまでには、しばらく時間がかかるかもしれない。
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