本日、カナダの量子コンピュータ企業D-Wave Systemsは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)から規制遵守の問題を指摘された事を発表した。NYSEの規制では、同社の普通株の平均終値が30営業日連続で1ドル以上でなければならないとされている。
ただし、この通知によってD-Waveの普通株がNYSEからただちに上場廃止されるわけではない。
D-Waveは、カナダの量子エコシステムにおいて重要な存在であり、NYSEの上場継続基準に遵守するため、株価不足を解消する意向を伝えた。指定された条件を満たす限り、NYSEからの通知を受けてから6ヶ月間の期間内にいつでも遵守状態を回復することが出来る。具体的には、「治癒」期間中のいずれかの月末に最低1ドルの終値、およびその月の最後の取引日までの30営業日間で最低1ドルの平均終値を持つ必要がある。
報道によれば、D-Waveは株式併合を含むいくつかの選択肢を検討しているとのことだが、これらは株主の承認が必要だ。
D-Waveは、適用されるすべての上場基準を維持することに専念し、治癒期間内に遵守状態を回復するよう努力するとしている。この期間中、他のNYSE上場継続基準を遵守していれば、引き続きNYSEで取引される。
D-Waveは、適切な時期に進捗状況を更新していく予定とのことだ。
D-Waveは2022年夏に特別目的買収会社(SPAC)を通じて上場した。当初の取引額は13.5億ドルとされていたが、投資家による株式の償還により、SPACの合併や買収が完了する前に投資家が株式を償還する権利が行使されたため、大幅に縮小した。D-Waveは、量子コンピュータ業界だけでなく、市場全体でも投資家による過剰な株式償還率の犠牲となった企業の1つとなる。
この問題を受けて、D-Waveは株価の回復を目指し、適切な対策を講じることで、投資家や株主に安心感を提供することが求められる。市場の信頼を回復し、量子コンピュータ技術の発展に注力することが、D-Waveにとっての最優先事項となるだろう。
今後のD-Waveの動向や、量子コンピュータ業界全体の成長に注目が集まる。市場の信頼を取り戻し、業界をリードする企業としての地位を維持・向上させるために、D-Waveはさまざまな戦略を検討することが予想される。
Source
コメントを残す