AMD Ryzenプロセッサーの一部は、3D V-Cacheソリューションを搭載し、追加の大容量キャッシュを搭載しており、特にゲーム用途で著しい性能の向上を見せているが、通常のタスクではあまり有用でない事が多い。しかしせっかく搭載されている物を日常的に活かせないのは勿体ないので、これをRAM Diskとして活用しようとする猛者が現れ、その結果をXで共有しているが、結果はこれまで見たこともないような桁違いの速度であることが判明した。
この実験自体は既に年初にNemezというユーザーがXで行っていたが、その際はあまり注目を集めることはなかった。今回Albert Thomas氏が新たに共有し、Tom’s Hardwareが取り上げたことでこの事例が注目を集めることになった。
3D V-CacheをベースにしたRAM Diskは、約180GB/秒という非常に高速なデータ転送速度を示すことが判明した。これがどの程度早いのかと言えば、現在入手可能な最高のPCIe 5.0 SSDよりも10倍以上も速いのだ。
ちなみに、3D V-Cacheの内部のスループットが2-2.5 TB/秒であることからこそ可能になった事である。
ただし問題もある。この異常に速い速度は魅力的だが、Ryzenの3D V-Cacheの容量は実際にRAM Diskとして運用するには小さすぎるのだ。今のところ、3D V-Cacheを搭載したRyzenはすべて64MBの追加キャッシュメモリしか搭載しておらず、合計で96~128MBしかないのだ。ただし、1.3GBのL3キャッシュを備えた Genoa-XのようなEPYCプロセッサを使う事が出来るような資金に余裕のあるユーザーならば、興味深い用途が見つかる可能性もあるだろう。近い将来、コンシューマ・セグメントで同様のものが登場する可能性は低いが、数年後にはRyzenプロセッサの3D V-Cacheがデフォルトで使用されるだけでなく、一般ユーザーにとっても便利なものになる可能性は十分にあるだろう。
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