中国のコンサルタント会社Digital Guandongは、Microsoftのオープンソース・コード製品である「Visual Studio Code」をベースにした製品を、その事実を適切に開示することなく発表し、後に謝罪に追い込まれた。
Digital Guandongが自社開発したと言う製品は「CEC-IDE」と呼ばれる製品である。これはMicrosoftのVisual Studio MarketplaceとGitHubに掲載されている。同製品の特徴は、”VSCodeを中国の特徴で差別化”する機会を提供する物とのことだ。
主張されている差別化とは、中国にとって不都合な単語を予め登録されているデータベースから検索することが出来るだけのようで、例えば、「香港独立」や「習近平が台湾を威嚇した」と言った単語等を検出する検閲機能を有する。その他は本家VSCodeとは大きく機能的には差がないようだ。
CEC-IDEの立ち上げに際し、中国メディアは典型的な興奮と共にこのツールを絶賛したようだ。曰く「外国の独占を打ち破る新開発の超強力なツール」であるとして、CEC-IDEを称賛している。
その後、中国の多くのネットユーザーがこのツールをダウンロードし、テストし始めたが、そこで一部のユーザーはおかしな事に気付いた。製品のプロパティに「Copyright © Microsoft 2022.All Rights Reserved.」というテキストが表示されたのだ。
これ自体決定的だが、先述したようにMicrosoft Visual Studio Codeと多くの類似点があることから、Digital GuandongのCEC-IDEは同社独自のものではないとの憶測が流れた。
Visual Studio Code自体はMITライセンス(「著作権とライセンス表示の保存のみを条件とする、短くシンプルな寛容ライセンス」)の下で利用可能になっているため、Digital GuandongはCEC-IDEをリリースすること自体には問題はなかったが、適切な開示を行わなかった事、その起源について大げさな主張をした事は問題であった。
そしてDigital Guandongは謝罪文を発表し、CEC-IDEがオープンソースのVSCodeを「少量の修正といくつかの機能の追加で」使用していることを認め、MITライセンス文書の不注意による脱落が混乱を招いたと説明している。
謝罪文はまた、オープンソースソフトウェアを賞賛し、デジタル広東省のプログラマーも含め、あらゆるプログラマーに愛されていると称賛している。
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