中国のチップ設計企業龍芯(Loongson)が、“次世代”3A6000シリーズプロセッサを発表した。このプロセッサは、LoongArchマイクロアーキテクチャに基づいており、IPC(クロックあたりの命令数)テストで、IntelのRaptor Lake i5-14600Kと同等の性能を示しているとのことだ。
この新しいx86互換プロセッサの発表と同時に、多数のパートナーによるデスクトップ、ラップトップ、オールインワンマシン、そしてAsusからのコンシューマーグレードのマザーボードも発表された。
Loongson 3A6000デスクトッププロセッサの基本的な仕様だが、チップは14/12nmプロセスで製造され、4コア/8スレッド構成を備えている。クロック周波数は2.0GHzから2.5GHzで、最大50Wの消費電力。Loongsonによると、この新CPUは256KBのL2キャッシュと16MBのL3キャッシュを持ち、前モデルのLoongson 3A5000と同様にDDR4-3200のみをサポートしている。
Loongsonは、公式発表前にIntelの第10世代およびAMDのZen 3 CPUと新しい3A6000を比較していた。現在も、より高クロックの4C/8T Intel Core i3-10100との比較を続けている。なお、Core i3-10100Fは、Comet Lakeアーキテクチャだ。これはCoffee Lake、Kaby Lake、Sky Lakeアーキテクチャのリフレッシュ版である。
ASUS Computer Open Platform ChinaのゼネラルマネージャーであるYu Yuanlin氏はカンファレンスでLoongson 3A6000のテスト結果をデモンストレーションし、マルチコアの固定小数点/浮動小数点の結果ではIntel i3-10100プロセッサより優れていたと述べた。
また、Loongson 3A6000は空冷で2.63 GHzまでオーバークロックでき、液体窒素下 (BIOS 制限) では控えめに3GHzまで動作することができたと報告されている。改良を続けて今後は3GHzを越える事も視野に入れているようだ。
Loongson 3A6000の性能、およびオーバークロックされた性能については、正直なところ、IntelやAMDの最新CPUを見ているとあまり感銘を受けないだろう。比較対象も、Intel Core i3-10100と3年も前のCPUで、これと同等の性能を実現と言われてもパッとしない。IntelのCore i5-14600Kに匹敵すると主張しているが、これはどちらも2.5GHzに制限した場合でのことであり、IntelのCPUは本来3.5GHz、ブーストすれば5.3GHzで動作するため足かせをはめられたような状態であり、意味のある比較とは言えない。のとはいえ、Loongsonが自社のコアIPとDragonアーキテクチャを使用してこれを達成していること自体は、大きな成果と言えるだろう。
Loongsonの将来のデスクトップCPUは、プロセスの改良を使用して最大の進歩を遂げることになる。ITHomeは、中国のプロセッサメーカーは将来的に「成熟したプロセスを使用して、IntelおよびAMDの先進的なプロセスCPUの性能を実現する」と述べている。
多くのパートナーがデスクトップ、ラップトップ、AiOを発表したことで、今後数週間から数ヶ月のうちにこの新しい中国製ハードウェアを購入することができるようになると見られる。
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