Financial Timesの報道によると、米政権は、中国政府が10月にUnverified Listに掲載された中国のハイテク企業に対する米国の輸出管理査察を許可したとのことだ。この動きは、中国の3D NAND企業であるYMTCが商務省の「エンティティリスト」に掲載され、同社が米国企業から機器を調達する能力に深刻なダメージを受けないようにするためのようだ。
- Financial Times: Beijing allows US export-control checks on Chinese tech companies
YMTCをはじめとする多くの中国ハイテク企業が10月初旬にUnverified Listに掲載されたのは、その製品(あるいはその製品を使った製品)が中国軍の手に渡ったのかどうかを米国政府が確認できなかったからだ。Unverified Listに掲載された企業は、60日以内に自社の製品がいかなるルールにも違反していないことを証明する必要がある。60日以内に証明できない場合は、「エンティティリスト」と呼ばれる貿易ブラックリストに掲載され、YMTCの場合は、アメリカの技術を一切使用できないことになる。
通常、中国政府は米国の輸出管理検査官の国内企業への立ち入りを拒否している。しかし、YMTCをはじめとする企業の場合は例外であり、YMTCや半導体産業が中国にとって必要不可欠であることが理由であると思われる。
米国商務省の産業・安全保障担当次官であるAlan Estevez氏は、Financial Times紙に対し、「我々はより良い行動を目にするようになっている。Mofcomはより積極的で、態度が変わってきている。このような態度の変化は初めてではないので、それがどの程度持続するかにかかっている」と述べている。
米国の輸出管理検査官が何を発見するかはまだわからないが、少なくともYMTCがブラックリストに載ることはない。とはいえ、10月に米国政府が発動した最新の輸出規制により、商務省から適切な輸出許可を得る必要があるため、米国の大手ウェハ・ファブ装置メーカー4社はすでにYMTCとの取引を停止している。
もしYMTCがブラックリストに載らず、軍事用途の製品を供給していないことを証明できれば、おそらくApplied Materials、KLA、Lam Researchなどの企業は、3D NANDメーカーとの取引を継続するための米国政府からの認可を得ることが容易になるであろう。
コメントを残す