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CBD(カンナビジオール)オイルは、近年そのリラックス効果から人気が高まってきているが、がん患者の痛みと苦痛の症状に対するCBDオイルの効果を検証した臨床試験の結果では、プラセボ効果以上のものはない事が明らかになった。

CBDオイルは、日本では法律により使用・栽培等が禁止されている大麻から、リラックス効果が期待できるというCBD(カンナビジオール)と言う物質を抽出し、オイルに溶かしたものだ。CBD自体は大麻に含まれるカンナビノイドという生理活性物質の1つであるが、同じカンナビノイドの1つであるTHCと比較して、精神へ与える作用(精神作用)や中毒性がないということで、CBDオイルは日本でも合法に利用できるリラクゼーショングッズとして、少しずつ認知度が上がってはいる。

ただし、海外のCBDオイルの中には、THCが含まれるものもあり、購入に際しては信頼できるサイトから購入する必要がある。

今回の研究は、進行がんの緩和ケア患者に対する医療用大麻の効果を研究する一連の3つの臨床試験から得られたものだ。

CBDオイルに焦点を当てた試験では、緩和ケアの患者144人を募集し、プラセボか、CBDオイルを1日600mgまで自己漸増投与するかをランダムに割り付けた。CBDの効果を測定するために使用された主要な指標は、Edmonton Symptom Assessment Scale[ESAS]と呼ばれるツールによる症状苦痛度合計スコア(TSDS)であった。この尺度は、進行がん患者における9つの一般的な症状を測定するもので、緩和ケアの場面で頻繁に使用されている。

14日後、研究者らはCBD群とプラセボ群との間でTSDSの測定値に差を認めなかった。その他の副次的評価項目についても28日までは差がなく、試験期間終了時にはプラセボ群、CBD群ともに約3分の2が「気分が良くなった、あるいはかなり良くなった」と報告した。

「この試験では、身体的または感情的な機能の変化、全体的な生活の質、疲労、吐き気と嘔吐、痛み、呼吸困難、食欲不振に対して、CBDの検出可能な効果がないことがわかりました。進行癌患者のCBDオイルによる症状コントロールが、緩和ケアのみから得られるものよりも改善されたことを示すものはありませんでした。」と、メーテル研究所所属で、この研究の主任研究員であるJanet Hardy(ジャネット・ハーディ)氏は指摘する。

この新しい発見は、痛みのための医療用大麻試験におけるプラセボ効果の強さを調査した、最近発表された別の研究と共に発表された。スウェーデンのカロリンスカ研究所のチームが率いるこの研究は、痛みの治療のために大麻を調査した20の無作為化対照試験を調べている。

その研究では、大麻とプラセボの間で、痛みの指標に有意な差がないことがわかった。この研究では、盲検化が解除された試験、つまり参加者が大麻とプラセボのどちらを投与されたかを知ることができた試験も考慮されている。研究者らは、被験者が何を投与されたかわからない場合、プラセボが非常に効果的であると評価する傾向があることを示唆している。

興味深いことに、Hardy氏のチームの試験でも、強いプラセボ効果が検出されたと指摘する。そして、プラセボ群の参加者の何人かは、試験終了後にCBD製品を購入するようになったという。

「有益性の証拠がないにもかかわらず、最初の研究の参加者の3分の1以上(36%)が、CBDまたはプラセボを服用しているかどうか知らないにもかかわらず、試験後に薬用大麻製品の購入を選択しました。」と、Hardy氏は述べている。

Hardy氏が取り組んでいる残りの2つの臨床試験は、緩和ケア患者における苦痛の同様の尺度を調べるものだが、CBDとより精神活性の高いカンナビノイドTHCの異なる組み合わせを使用している。

研究の要旨

目的

カンナビジオール(CBD)オイルが、緩和ケアを受けている進行がん患者の症状の苦痛を改善できるかどうかを明らかにすること。

方法

参加者は、進行がんで症状苦痛(Edmonton Symptom Assessment Scale[ESAS]総スコア10/90以上)のある成人で、28日間、CBDオイル100 mg/mL, 0.5 mL 1日1回~2 mL 1日3回、またはマッチドプラセボを漸減投与された。主要評価項目は,14 日目の ESAS 総症状苦痛スコア(TSDS)であった。奏効は、14日目のTSDSが6以上減少したことと定義した。副次的アウトカムは、経時的なESAS TSDS、個々の症状スコア、患者決定有効量、オピオイド使用、変化に対するグローバル印象、うつ病、不安、QOL、および有害事象であった。

結果

無作為に割り付けられた144名の患者のうち、CBD投与群58名、プラセボ投与群63名の予定サンプル数が主要解析点(14日目)に到達した。ベースラインから14日目までのTSDSの未調整変化は、プラセボ群で-6.2(標準偏差、14.5)、CBD群で-3.0(標準偏差、15.2)で、群間有意差は認められなかった(P = 0.24)。同様に、反応者の割合にも差は認められなかった(プラセボ:63人中37人[58.7%]、CBD:58人中26人[44.8%]、P=0.13)。ESASのすべての構成要素は時間とともに改善(低下)し、群間差は認められなかった。参加者が選択したCBDの用量の中央値は1日400mgで、オピオイド用量との相関はなかった。QOL、うつ病、不安症に対するCBDの検出可能な効果はなかった。有害事象は、CBDでより一般的であった呼吸困難を除けば、群間で有意な差はなかった。ほとんどの参加者は、14日目(CBD53%、プラセボ65%)および28日目(CBD70%、プラセボ64%)に気分が良くなったか、かなり良くなったと報告した。

結論

CBDオイルは、専門的な緩和ケアのみによって提供される症状苦痛の軽減に付加価値を与えなかった。

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