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最近、米国でApple Watchの販売が禁止されたのは、Appleが盗んだ技術を最新モデルのスマートウォッチに使用していると主張する医療技術企業Masimoの努力の結果だ。Masimoは世界で最もブランド価値のある企業に対して一定の成功を収めたものの、その道のりは精神的にも金銭的にも苦しいものだったと、CEOのJoe Kiani氏はThe Wall Street Journalの取材の中で複雑な心境を吐露している。だが彼には今回、無謀とも思える戦いに挑むだけの目的があった。「誰も彼らに立ち向かっていない。もしそれができれば、Appleを良い方向に変えられるかもしれない」その思いが、彼を突き動かしているという。

Appleは、米連邦巡回控訴裁判所が1月10日まで販売禁止を解除したため、一時的な救済を得ることに成功したが、日を追うごとにMasimoの勝利が近づいているように見える。The Wall Street Journal紙のインタビューで、Kiani氏は、米国でのApple Watch販売禁止を強要するために、すでに莫大な金額が費やされていることに言及している。

Masimoが販売を阻止できたのはApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2のみで、この2つはMasimoがAppleに盗まれたと主張する技術である血中酸素モニターを搭載しているからだ。それ以前のApple Watchはまだ米国で購入可能であるため、売上が完全に0になる事はない。

金銭的な負担にかかわらず、Kiani氏はAppleが中小企業に対してこれまでと異なる扱いをするまで、Appleとの戦いを止めるつもりはないと表明している。同じくAppleとの特許侵害の争いに巻き込まれているAliveCor社は、Masimoの努力を賞賛し、業界の巨人がついに責任を問われるようになったことを企業は勇気づけられるべきだと述べた。

インタビューの中でKiani氏は、MasimoとAppleとの戦いが2022年に始まってからこれまで、この戦いに約1億ドルを費やしていることを述べており、2022年のMasimoの純利益が約1億4400万ドルであることを考えるといかに大きな負担であったかを語っている。

Appleに対抗する前、Masimoの従業員やKiani氏の友人たちは、彼に前進することのリスクを警告した。「人々は、私は頭がおかしく、Appleに逆らうことはできないと言いました。彼らは無限のリソースを持っているから、と」。

だが、Kiani氏はそれでもこの戦いをやめなかった。それは実際にこれまでにもMasimoは同様の訴訟で勝利を収めていることも一因である。Masimoは、パルスオキシメーター デバイスの有力プロバイダーであったNellcorとの特許訴訟で損害賠償とロイヤリティー契約を得ることに成功し、8億ドルを勝ち取っている。今回Appleとの戦いにMasimoが勝利することができれば同様に莫大なリターンが望めるだろう。

そして、Kiani氏はそれだけが目的ではないという。

「私はこうしなければならないと感じています。もし私が、世界で最も強力な企業が悪い行動を取り続けるのを変えることができれば、それは私がやっている他のどんなことよりも、世界に大きな影響を与えるでしょう」。

Kiani氏としてはAppleとの和解交渉に前向きであることを表明しているが、正確な数字や、物事を友好的に終わらせるためのその他の条件については言及していない。この法廷闘争は何年も続くことになりそうだ。


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