TikTokの親会社であるByteDanceは、2021年末にゲーム事業への参入という野心的な計画を大々的に明らかにしたが、それから2年後、その取り組みの芽は花開くことがなく、同社は静かにフェードアウトすることを選択した。
Bloombergによると、ByteDanceはNuverseと呼ばれるゲーム部門の大規模な人員削減を開始したとのことだ。「我々は定期的に事業を見直し、長期的な戦略的成長分野を中心に据えた調整を行っています。最近の見直しの結果、ゲーム事業の再編という難しい決断を下しました」とByteDanceの広報担当者はTechCrunchに声明を発表している。
ByteDanceは2021年に人気モバイルゲーム「Mobile Legends: Bang Bang」のデベロッパーで上海に拠点を置くMoontonを買収した。これによってゲーム事業に本格的に参入し、TencentやNetEase、そして新興のMiHoYoにとって新たな脅威になるかと思われた。
ByteDanceのゲーム部門Nuverseは約3,000人規模と言われており、最終的にどれだけの従業員がこの再構築の影響を受けるかは不明だ。
また、Reutersによると、ByteDanceは買収したMoontonの売却をサウジアラビアの企業と話し合っているという。
ByteDanceはデータ駆動型のA/Bテストを駆使することでTikTokを世界的な地位に押し上げたが、この戦略がゲーム部門には当てはまらなかったようで、同社の戦略的見直しが迫られている。ビデオゲームの成功は、より長い、より忍耐を要する創造的プロセスを必要とし、競合他社であるTencentとNetEaseは、より長い開発サイクルを持つゲームにより多くのリソースを注ぎ込んでおり、それによって今の地位を築いたと見られているからだ。
Nuverseでの大規模な人員削減は、近年の広範な規制強化により事業が落ち込み、労働力が削減された中国のインターネット産業にとってさらなる悪いニュースと言える。特にビデオゲーム業界は、ライセンス承認の一時停止によって打撃を受けたが、プロセスが再開されたとしても、マクロ経済的な課題によって回復が限定されている。
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