イタリアの反トラスト機関AGCMは、Appleが制限的なポリシーでサードパーティの開発者に不利益を与えているとして、Appleに対する調査を開始した。
これは、Appleが自社製アプリよりもサードパーティ製アプリに厳しいプライバシー要件を設定する事に関して行われた物で、この種の調査について、イタリアは三カ国目となる。
Appleはプライバシーデータの取得について、サードパーティーより有利な立場にいる
以前、Appleは、広告配信とWebサイト訪問を結びつけるために、アプリが匿名化されたトラッキングIDを自由に使用することを許可していた。これにより、開発者はアプリ内でパーソナライズされた広告を販売することができ、一般的な広告よりも多くの収入を得ることができるようになっていた。
だが、App Tracking Transparencyの導入でこの状況は大きく変わった。現在、アプリ開発者は、そのトラッキングを許可するかどうか、ユーザーに尋ねなければならない。アプリをインストールし、初めて起動した際には、以下のような画像の通知がなされるのを見たことがあるだろう。もしあなたが「いいえ」と答えた場合(ほとんどの人がそうだろうが)、アプリはトラッキングIDを使用することが出来ず、パーソナライズされた広告を販売する事が出来ない。
FacebookとInstagramのオーナーであるMetaはこの件に関して、ポリシーの変更によって年間数十億ドルのコストがかかると憤慨している。そしてここで問題になっているのは、Appleのアプリはトラッキングの許可を得る必要がなくトラッキングIDを使用できるため、Appleがサードパーティの開発者が入手できない貴重なデータを収集できることだ。
今回、AGCMは、開発者には広告キャンペーンの成功に関する十分なデータが与えられていないと主張している。このような慣行は、競合他社をApp Store経由でのアプリ配布から遠ざけ、Appleのファーストパーティアプリに利益をもたらす可能性があるという。
Appleは、権利の濫用が認められた場合、年間売上高の最大10%の罰金を科される危険性がある。
水曜日、欧州連合(EU)当局がAppleに対する調査を強化した。彼らは、AppleがiPhoneに内蔵されたNFCチップをApple Payに搭載することを厳しく制限しているため、サードパーティ企業がモバイル決済市場に参入することが不可能になっていると考えている。
2月には、米司法省が、App Storeのルールが競合他社に不利かどうかを見極めるため、Appleに対する反トラスト法調査をエスカレートさせた。Appleを巡る反トラストの包囲網は厳しさを増している。
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