Appleは独自の生成AIの開発に数十億ドルという大規模投資を行ったのかも知れないが、それに見合った成果を上げられていないのだろうか。Bloombergの新たな報道によると、Appleは自社デバイスに生成AI機能を導入するために、Googleと契約に向けた交渉を行っている事が、非公開協議を知る匿名の情報筋の話として報じられている。条件はまだ最終決定しておらず、実施の詳細も明らかになっていない。
8月には、Appleが独自の生成AIの開発に数十億ドルを投資していることが明らかになった。Appleは「Ajax」と名付けられた独自のChatGPTのようなLLMフレームワークを開発したとも報じられており、最近の報道では、AppleがクラウドからではなくiPhone上で動作する生成AIに取り組んでいると指摘されていた。
だが、BloombergのApple関連の内部情報に詳しいMark Gurman氏は、Appleが現在、次期iPhoneシリーズで使用するGoogleのAIモデル「Gemini」のライセンス交渉を行っていると報じている。この提携は、GoogleはGeminiをより多くのユーザーに提供する一方で、Appleは次のiPhoneで最先端の生成AI技術を利用できるようにするという、相互に利益をもたらす可能性がある。
今回の報道が事実ならば、AppleのAIへの取り組み・開発は芳しくないようだ。Bloombergによると、Apple独自の生成AIは、OpenAIのGPT-4やBardの後継機であるGemini、その他のAI製品と比べて「劣ったまま」だという。
新しいAIツールは、おそらくSiriやその他のアプリの一部となり、Apple独自のモデルはオペレーティングシステムに組み込まれる。この件に詳しい関係者によると、これらのツールは、ユーザーに情報を積極的に提供したり、バックグラウンドでユーザーの代わりにタスクを実行したりすることに重点を置くという。
Appleは最近、OpenAIとも話し合いを行ったと報じられているが、両者はAI協定の条件やブランドを決定したり、どのように実装するかを最終決定したわけではない。
AppleのAI分野におけるペースの遅さは、同社の投資家たちに懸念を抱かせている。同社は今年、長らく保持してきた世界で最も価値のある企業の称号をMicrosoftに奪われた。だが今回Bloombergの報道を受け、Appleの株価は市場前の取引でわずかに上昇した。
しかしBloombergによると、AppleとGoogleの提携がもしも行われる場合、規制当局からの監視を受ける可能性が高いという。両社の現在の検索契約は、すでに米司法省による訴訟の対象となっているからだ。欧州連合(EU)はまた、消費者がデフォルトの検索エンジンをGoogle]から変更しやすくするようAppleに圧力をかけている。
AppleとGoogleは、Safariのデフォルト検索エンジンであるGoogle検索を通じて、すでに長いパートナーシップを結んでいる。Geminiを含む契約は、6月のWWDCで発表される可能性がある。
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