Appleは、App Storeの厳格な管理に対する法的・規制的圧力が強まる中、開発者のアプリの価格設定に関する要件を緩和している。同社は本日、App Storeの価格体系を拡大し、開発者が利用できる価格帯を700種類追加し、新たに900種類とすることを発表した。
今回の変更により、日本の開発者は、アプリ、アプリ内課金、購読の価格を、50円から最高160万円まで設定出来る。また、2,000円までは10円刻み、2,000円から1万5,000円までは100円刻みなどのように細かく設定出来るようになった。
価格は国ごとに設定することができる。これにより、開発者はインフレや為替レートの変動に対応することができるようになる。また、開発者は、自分がよく知っている店舗と通貨の基本価格を設定すると、他の地域や通貨の価格が自動生成され、それを受け入れるか、自分の選択した価格に置き換えることも出来る様になるとのことだ。
自動更新のサブスクリプションを提供するアプリケーションは、本日からこの変更を利用することができる。サブスクリプションを持たないアプリケーションの開発者は、2023年春頃にこの新しい価格システムがリリースされるまで待つ必要がある。
これまでApp Storeの価格体系の変更は、拡張アプリ内課金やサブスクリプションモデルなど、新しいタイプの課金が追加されることがほとんどだった。今回の変更は、これらの追加を除けば、App Storeの価格モデルおよびポリシーに対する、サービス開始以来の最も大きな変更となる。
この変更には、Appleに対する昨今の規制や訴訟が影響している。2021年、Appleはサードパーティ開発者連合による集団訴訟をきっかけに、価格制限を緩和することに同意した。また、同社は各国の規制当局による激しい規制の監視と開発者による公的な批判に直面してきた。他の多くの最近のApp Storeのポリシー変更と同様に、このシフトは将来の取り締まりを先取りする試みである可能性がある。
また、今回の変更は、Appleとそのエコシステムに属する開発者が、通常よりも高いインフレ率や為替レートの変動など、最近の不安定な経済状況に対処するために行われたものだ。また、Appleが、2023年に発売される可能性が高い複合現実型ヘッドセット向けに販売されるかもしれない新しいタイプのコンテンツ、ツール、体験に備えるために、この新しい価格を導入している可能性もありそうだ。
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