アプリ・インテリジェンス・プロバイダーであるdata.aiは、年次レポート「State of Mobile 2024」を発表した。同レポートによると、1年間の市場減速の後、モバイルアプリの復調が見られるとのことだ。消費者支出は前年比3%増の1,710億ドルに達し、モバイルデバイスの利用時間は前年比6%増の5兆1,000億時間に達した。しかし、ダウンロード数は前年比1%増の2,570億件と横ばいである。
2023年はアプリがゲームを上回り、消費者支出は前年比11%増の640億ドルに達しているとのことだ。特にソーシャルアプリとクリエイターエコノミーは、広告以外の新たなマネタイズの道を切り開くもので、注目に値する。具体的には、TikTokの「チップ」機能により、生涯消費額が100億ドルを突破。2024年までに、ソーシャルアプリのアプリ内課金による消費者の直接的なマネタイズは150%成長し、13億ドルに達するだろうと予想されている。
State of Mobile 2024の主な調査結果は以下の通りだ:
- モバイル広告費は、動画共有アプリと短編動画が牽引し、8%増の3,620億ドルに達する見込み。
- モバイルゲームへの支出は1,070億ドル(前年比2%減)に減少、ダウンロード数は880億と堅調で、ハイパーカジュアル、シミュレーション、アクションジャンルが牽引。
- 中国のショッピングアプリ「Temu」と「SHEIN」が欧米市場に参入し、140%の成長を遂げた。Temuは125の市場で最もダウンロードされている。
- ソーシャルアプリとエンターテイメントアプリでの動画消費は増加し、利用時間は12%増の3兆時間、消費額は10%増の290億ドルに達した。
- 旅行業界のダウンロード数は13%増加し、ツアー予約(80%)、総合旅行サービス(26%)、フライト予約(43%)が最も伸びた。
- チケット販売アプリの需要は、Taylor SwiftとBeyonceのファンによって2023年に31%急増し、パンデミック前の水準から66%増加した。
同社はまた、生成AIの進歩が昨年の消費者支出を後押ししたことを挙げている。GenAIアプリ市場は7倍に拡大し、AIチャットボットやAIアートジェネレーターのような新しい消費者体験をもたらした。消費者支出の上位アプリには、ChatGPT、Ask AI、Open Chatが含まれる。Data.aiは、AIアプリの人気は「かなりグローバル」だが、このジャンルは中国、日本、サウジアラビア、トルコでブレイクしたジャンルにはランクインしていないと指摘した。
AIはあらゆるアプリの基礎となり、あらゆる分野に浸透し、デジタル革新の新たな波への道を開く。AIの力を活用したTikTokは、エンゲージメントと収益化の状況に革命をもたらした。2024年、TikTokはゲーム大手を凌駕し、史上最高の売上を記録するアプリの座を確実なものにするだろう。
Theodore Krantz, Chief Executive Officer of data.ai
data.aiのState of Mobile 2024 Reportは、data.aiのGame IQおよびApp IQ分類法と、120万以上のアプリから得られたAI搭載の市場データに基づいて、地域レベルおよびカテゴリーレベルの市場動向を分析している。
完全なレポートでは、インストール数、費やした時間、広告支出、ゲーム固有の詳細など、アプリのエコシステムの健全性に関する他の指標も詳しく掘り下げられている。
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