CPU-Zは時代後れのテストしか行わず最新CPUのベンチマークテストには役に立たないとの分析結果

masapoco
投稿日 2023年11月5日 6:12
computer chip

CPU-Zのベンチマーク機能に関する新たな分析が、その信頼性に疑問を投げかけている。テクノロジー分析サイトのChips and Cheeseは、このツールは、CPUの性能を測定するために広く利用されているが、最新のCPUアーキテクチャにおいて適切な評価を行っているとは言い難い状況であると結論づけている。

Chips and Cheeseでは、Intelのソフトウェア開発エミュレータを用いてCPU-Zのベンチマークを実行し、そのプロセスを詳細に分析した。その結果、CPU-Zのベンチマークが主にSSE命令を使用してFP32数学テストを行っていることが明らかになった。しかし、これはベクトル数学機能をフルに活用していないため、現代のCPUの能力を完全には測定できていない。

さらに、このベンチマークはCPUのフロントエンドに大きな負荷をかけるものではなく、命令フットプリントが非常に小さいため、最新のCPUに搭載されているオペレーションキャッシュを十分に活用していないことも判明した。これにより、CPU-Zのベンチマークが現代の多様なアプリケーションの性能を評価することができていないことが示唆されている。

分析結果から、CPU-Zのベンチマークは特に実行レイテンシやスケジューラ容量、リオーダーバッファの大きさに影響を受けることが分かった。これらは、現代のCPUの性能を制限する主要な要因であり、CPU-Zのベンチマークがこれらの要素を十分に評価していないことが問題である。

サイトでは、Jim Keller氏の発言を引用している:

今日のコンピュータの性能を制限しているのは予測可能性であり、2つの大きなものは命令/分岐の予測可能性とデータの局所性である。

最終的に、このベンチマークは現代のコンピュータの性能を制限する予測可能性やデータの局所性といった主要な課題を提示していないため、CPU設計者やエンドユーザーにとってあまり有用ではないと結論付けられている。

そのため、CPUIDにはベンチマークを見直し、より実際のワークロードに合致するよう改善することが求められるところだ。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • a3ef8e57cb3690d5420e3d0cd80803b2
    次の記事

    Google、既存の気象予測モデルよりも高精度なAI天気予報モデル「MetNet-3」を紹介

    2023年11月5日 6:47
  • 前の記事

    iPhoneの中国出荷台数が予想以上に下落、背景にHuaweiの復活か

    2023年11月4日 18:35
    Apple iPhone 15 Pro lineup color lineup 230912

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • intel core i9 14900KS slides 01

    Intel、オーバークロックなしで6.2GHzを実現した史上最速のプロセッサー「Core i9-14900KS」を発売

  • amd ryzen cpu

    暗号通貨マイナーがAMD Ryzen 7950X CPUを買い占めている

  • Microsoft DirectX 12 Ultimate

    CPUのボトルネックを解消するDirectX 12「Work Graphs」APIが正式公開

  • quake 2 rtx

    GPUを使わずCPUでレイトレーシングをする事に成功

  • desktop pc

    PC市場の回復が続く – 2023年第4四半期のGPUとCPUの出荷台数は前年同期比20%増

今読まれている記事