AMDの次世代Zen4コアを搭載する最新のデスクトップCPU Ryzen 7000「Raphael(コードネーム)」のエンジニアリングサンプルが、Openbenchmarkingデータベースで発見された。これまでにも何度か登場はしていたが、今回はより詳細が明らかになっている。
Openbenchmarking.org : AMD Eng Sample 100-000000666-20_Y
- Zen4コアを搭載する次世代CPU Ryzen 7000「Raphael」のエンジニアリングサンプルがOpenbenchmarkingデータベースに登場
- 最新の情報によると、コアは5.21GHzで動作している
- Ryzen 7000は、RDNA 2に基づくiGPUを搭載すると思われる
Openbenchmarkingデータベースで検出されたAMD Ryzen 7000「Raphael」ES(Engineering Sample)デスクトップCPUは、検証および妥当性確認テストフェーズで使用されるPhoronix TestSuite10.8.3の一部だ。このCPUは、どのRyzen 7000デスクトップCPUであるかは不明だが、プラットフォームとOPNコードから、これは確かにAM5 CPUサンプルであることが確認された。
まず詳細だが、このAMD Ryzen 7000 ESデスクトップCPUはOPNコード「100-000000666」となり、これまで検出されてきた物とコア構成も以前のサンプルと同じで、合計8コア&合計16スレッドのZen 4コアアーキテクチャを採用したチップとなる。注目すべきは、このチップの周波数が最大5.21 GHzであり、既存のチップよりも大幅に向上している点だ。
ちなみに、現在最速の8コアZen 3チップであるRyzen 7 5800Xのクロックは4.7GHzである。そのため、Zen 4チップはテスト段階でも11%のクロックブーストを提供していることになる。AMDはすでに2022年のCESで、全コア5GHzで動作するRyzen 7000のプロトタイプチップを展示しているので、シングルコアで5GHzを超えることは驚きではないだろう。
AMD Ryzen 7000「Raphael」ESデスクトップCPUがテストされたプラットフォームも、それ自体が興味深い物だ。AMD Splinter-RPL(WS22427N000 BIOS)と呼ばれる新しいリファレンスプラットフォームで、16GBのメモリ(AM5がサポートするのはDDR5とされている)、標準的なストレージ/OS構成でテストを行っている。Ryzen 7000 ESデスクトップCPUのもう1つの特徴は、iGPUを搭載していることだ。しかも、ただのiGPUではなく、RDNA 2コアを搭載したiGPUを搭載している。
AMDのRyzen 7000「Raphael」デスクトップCPUは、新しいRDNA 2グラフィックスアーキテクチャをベースにしたiGPUを搭載すると予想されている。このiGPUは、2個または4個のCUと1個または2個のWGPを搭載すると言われている。このiGPUは「GFX1036」と記載されており、512MBの共有メモリを搭載している。クロックは最大2000MHzとされているが、これが正しい情報であるかどうかはわからない。このiGPUは、AMDのRembrandt APUとコアデザインを共有しており、それゆえ、同様のRadeon HDオーディオスーツを提供している。AMDは、Raphaelをデスクトップとモバイルの2つのバリエーションで導入する予定だ。デスクトップ用のコードネームはRaphaelのままで、モバイル用コードネームはDragon Rangeに改名されている。どちらも、IntelのAlder Lake-S(デスクトップ)とAlder Lake-HX(モバイル) SKUと同じようなダイを共有することになる。そのため、Dragon Rangeのチップでも、同様のiGPU構成が見られる可能性が高い。
最後に、iGPUの性能はOpenBenchmarkingデータベース内で明らかにされたが、クロック速度が不明であったため、あまり参考にならない。2-4 CUのRDNA 2 iGPUであれば、AMDのVega iGPUと同等の性能を発揮できるだろうし、特にRyzen 7000「Raphael」チップがTDP170Wで登場する見込みでTDPの制限が高くなったおかげで、その性能も期待できる。
AMDは数週間後のComputex 2022でRaphaelとAM5プラットフォームについて大きな発表を行うようだ。
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