地球外知的生命体探査(SETI)の新しい研究によれば、我々よりはるかに進んだエイリアン文明は、超新星のような壮大な宇宙の現象を使って他の知的生命体に向けてメッセージを送る可能性があるという。
この研究はまだ査読を受けていないが、文明が自分たちの存在のメッセージを送るために取りうる興味深いアプローチを提示している。
銀河系に存在する何百万もの恒星の周囲を周回している惑星は、おそらく生命を維持できる条件を備えており、我々のような文明へと大きく発展しているはずだ。もし彼らが本当に存在するのであれば、彼らもまた他の場所で生命の兆候を探そうと試みているはずであり、だからこそ、SETIのような組織が彼らを探しているのだ。
超新星SN2023ixf
もし、この広大な宇宙において、他の文明に向けてメッセージを送るのならば、文明が目撃することに興味を持つような大きな宇宙活動を用いることは理に適っている。そして、そのような壮大な宇宙の出来事のひとつが超新星であり、強力なだけでなく光り輝く星の爆発であり、宇宙の中でも最も目立つ現象の一つだ。超新星は通常、大質量星の最後の段階で発生する。そして、新たに先月、日本の板垣公一氏が発見したばかりなのが、「SN2023ixf」という超新星だ。
この超新星は、M101(風車銀河として知られる)に位置し、過去10年間に地球から目撃された中で最も近い星の爆発である。アマチュア、プロを問わず、天文学者たちがこの超新星をゆっくりと解きほぐしていくのを見守ってきたのは、驚くにはあたらない。
しかし、SETIやアメリカの著名な大学のメンバーで構成される研究者チームは、異星文明が我々にメッセージを送るチャンスだとも見ている。
SETIの楕円体
プレプリント・サーバー「arXiv」で公開されている論文の中で、天文学者たちは、知的な地球外生命体が、死にかけた星の輝きに魅了された他の文明にメッセージを送る機会として超新星を利用するかもしれないと提案している。つまり、超新星という宇宙規模の壮大な爆発に注意を向けている間に、その方向に位置する文明が我々にメッセージを送るのではないかとのことだ。その上で、研究者たちは「SETI楕円体」と呼ばれる超新星の周囲の領域を監視することを提案した。これは、潜在的に居住可能な惑星に住む宇宙人が超新星と地球の両方をはっきりと見ることができる楕円形の宇宙領域である。研究者の推定によれば、この領域には居住可能な惑星が存在する可能性のある恒星が100個あり、そのいずれかに存在する文明が我々にメッセージを送っている可能性がある。
それを見逃さないために、研究チームはカリフォルニア州のアレン望遠鏡アレイとウェストバージニア州のグリーンバンク天文台という2つの主要な望遠鏡を使って、SETI楕円体から現れるシグナルに耳を傾ける予定だ。超新星は何カ月も何年も輝き続ける可能性があるため、研究者たちは、もし信号が送られてきたとしても、それを監視するための広い窓を持つことができる。
研究チームは、この実験が実際に良い結果をもたらすという自信はないが、それでも、実際に生命が存在するかもしれない銀河の一部で、将来同じような宇宙的出来事の実験場となる可能性があるため、喜んで挑戦しようとしている。生命が実際に存在するかもしれない銀河の一部で、将来同じような宇宙現象が起こるかどうかの実験場になり得るからだ。
論文
参考文献
- Phys.org: New nearby supernova could be used by aliens to get our attention
- via Live Science: Aliens might be using a nearby supernova to get our attention, new study suggests
研究の要旨
いくつかのテクノシグネチャー技術は、地球外生命体からの協調的な信号放送を探索するための基礎として、SN1987Aのような歴史的事象に焦点を当てている。最近発見された渦巻銀河M101のSN2023ixfは、10年以上前に発見されたII型超新星に最も近い超新星であり、重要なベンチマーク事象となるだろう。ここでは、SN2023ixfが現在進行中のテコンシグネチャー探索、特に「SETI楕円体」のようなシグナル同期技術を前進させる可能性について検討する。我々は、SN2023ixfから約3◦以内にある100個以上の星が、すでにこのSETIエリプソイドと交差していることを発見した。我々は、アレン望遠鏡アレイとグリーンバンク望遠鏡を用いて、これらのターゲットを電波テクノシグネチャーで観測するキャンペーンを開始する。
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