太陽の3倍の大きさの津波で隣の星に襲いかかる星が発見される

masapoco
投稿日 2023年8月15日 11:15
cfa 033 tidalwave2C hires

連星系はしばしば変光星として現れる。星が近すぎたり遠すぎたりして個々の星を見ることができない場合、星が互いに公転するときに、一点の光が徐々に明るくなったり暗くなったりするのを見ることができる。星と星がすれ違うとき、特に星が近ければ、異常な明るさになることもある。その一例がハートビート星である。

ハートビート星と呼ばれるのは、星の明るさを時間とともにプロットすると、そのパターン(光度曲線)が心電図で見る心臓の鼓動のように見えるからだ。映画やテレビで、登場人物がまだ生きていることを示すために見るビープ音のパターンだ。ハートビート星がこのようなパターンを持つのは、2つの星が非常に偏心した軌道を描いているからだ。2つの星が互いに近づくと、潮汐力によって星が卵型に歪み、明るくなる。そのため、鼓動のような短い明るさのスパイクが生じる。ハートビート星の例はいくつかあるが、最近発見されたものはハートビート星としても珍しい。そのピーク輝度は典型的な鼓動星の200倍で、その光度曲線はかなり変わった形をしている。

MACHO 80.7443.1718として知られるこの主星の質量は35太陽、副星はわずか16太陽質量である。両者は33日に1度互いに公転し、最接近時には水星が太陽に接近するよりも近くなる。これらの潮流はこのあたりの潮流よりも少し大きく、高さは約 430 万 km、つまり太陽が3つ重なったほどの高さまで達することもあるのだ。

しかし、光度曲線には奇妙な側面がある。単純に明るさが急上昇するのではなく、星はもう少しゆっくりと暗くなり、光度曲線には振動減衰が見られるのだ。これを説明するために、研究チームは、星が接近している間のコンピュータ・モデルを実行し、星と星の間の潮汐力だけでなく、星の流体力学もシミュレートした。その結果、興味深いことがわかった。

ひとつは、公転軌道の最も近い部分で、大きな星の大気物質の一部が小さな星に取り込まれるということだ。多くの近接連星は物質を交換することができるが、このケースで珍しいのは、交換が主星の振動を引き起こすことである。伴星が揺れ動くと、主星の表面で波が形成される。そしてこの波が表面に沿って連鎖する。主星は4日周期で自転しているので、波が数日おきに主星に沿って通過するのが見える。これが、光度曲線の減衰がゆらぐことの説明である。

MACHO 80.7443.1718は、連星の相互作用がいかに複雑であるかを示す好例である。この連星系の鼓動は明るさに影響を与えるだけでなく、鍋を少しかき混ぜ、時間の経過とともに星の進化の仕方を変える可能性がある。


この記事は、BRIAN KOBERLEIN氏によって執筆され、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • hdd and ssd
    次の記事

    ある調査では、SSDよりもHDDの方が消費電力が少なかった

    2023年8月15日 11:58
  • 前の記事

    iPhone 15シリーズ向けUSB-C関連の部品がリーク、認証製品以外の規制のための存在か?

    2023年8月15日 10:22
    iPhone 15 USB C flex cable chip 2

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • Image SN 2023ixf Zimmerman

    超新星による爆発をほぼリアルタイムで観察することに成功した

  • log 2048

    銀河系巨大ブラックホール周辺の磁場が新たな視点で明らかに

  • Euclid looking into the Universe

    ユークリッド宇宙望遠鏡の除氷が成功し、視界が回復した

  • Low Res A massive and ancient galaxy

    ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、史上最遠の銀河合体を観測

  • Euclid looking into the Universe

    氷がユークリッドの光学系を覆い始めた

今読まれている記事