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カナダの通信機器メーカーBlackBerryの調査によると、2022年にリリースされ、瞬く間に世界を席巻したChatGPTを初めとする生成AIについて、その急激な普及の一方で、既に企業の多くがその利用を禁止し始めていることが明らかになった。

オンライン調査はBlackBerryが委託し、OnePollが実施した。日本、米国、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、英国、オーストラリアの企業のIT幹部2,000人を対象に、6月と7月に実施された。

その結果、75%の企業がChatGPTや生成AIの禁止を検討しているか、すでに禁止していることがわかった。そして61%がこの禁止を長期的または恒久的な解決策と考えているようだ。

担当役員(CIO/CTO/CSO/IT(72%)、CEO(48%)、法務コンプライアンス(40%)、CFO/財務(36%)、人事(32%))が挙げた禁止の理由は、主にデータ保護とプライバシーのリスク(67%)、風評リスク(57%)に対する懸念からだ。

従業員が効率を求めAI利用を進める一方で企業はブレーキをかける

生成AIツールの規制は、おそらく多くの組織において、企業の意図したコントロールが実施出来ない点にある。これは、包括的で透明性のある情報を提供することなく、ChatGPTに入力されたデータをAIのトレーニングに使用してきたOpenAIのこれまでの行いを振り返ればうなずける。

最近になってようやくオプトアウト・オプションが設けられたが、それは従業員がそれを認識し、責任を持って使用する場合にのみ有効である。そしてその場合でも、データはOpenAIのモデルを通して使用され、正確なデータ処理は闇のままだ。

Microsoftでさえ、ビジネスパートナーであるOpenAIについて、ChatGPTにデータを入力することは安全ではなく、企業の知的財産の損失につながる可能性があると述べている。同時に、Azure ChatGPTはプライバシーに配慮したChatGPTの亜種であり、Azureとの接続が可能だ。

おそらく多くの企業は、AIツールが従業員にとって非常に便利なものと認識され、すでにガイドラインなしで全社的に使用されているため、企業として規制せざるを得ないと感じているのだろう。しかし、その利便性を知ってしまった従業員にとって、これを禁止することはフラストレーションに繋がる可能性もある。

企業が生成AIを禁止するのは一時的な現象に過ぎない可能性が高い

マーケティングから人事まで、多くの業務プロセスにおいて生成AIの効率向上が実際に測定可能であれば、このような防衛的なスタンスはもはや維持できないかもしれない。

BlackBerryの調査で調査対象となったITエグゼクティブも、生成AIが効率性(55%)、革新性(52%)、創造性(51%)を高める可能性があると考えている。サイバーセキュリティの向上にAIを活用したいと考えている人は、実に81%に上った。

そのため、プライバシー保護に準拠した方法で生成AIを導入するための話題は、「もし」から「どのように」へとすぐにシフトしそうだ。

Microsoftは、多くの企業でWindows、Office、Azureを提供しており、OpenAIの独占ライセンスも持っていることから、戦略的に有利な立場にある。同時に、OpenAIの強力な対抗馬でもあるという、少し複雑な関係だ。OpenAIも独自のビジネス向けサービスを計画している

Midjourneyのような小規模なAIプロバイダーやオープンソースモデルは、将来的にMicrosoft、AWS、Googleのプライバシーに配慮したクラウドサービスの道をたどる可能性が高い。例えば、オープンソースの画像AI「Stable Diffusion」やMetaの「Llama 2」などはすでにそうなっている。Googleなども独自の画像・動画モデルを計画している。

また、生成AIは、Microsoft・Word、Google Docs、Photoshopなど、既存の、すでに実装されているソフトウェアにツールとして移行しつつある。このような理由だけで、企業における生成AIの一般的な禁止は解決策にはならない。


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