NASAは誤ってボイジャー2号に対し、アンテナを地球から離すように指示してしまい、結果、地球との通信が出来なくなってしまっている事が明らかになった。
7月21日、計画された一連の操作が、遠く離れた探査機に送られた。残念なことに、このコマンドは探査機の位置をわずかにずらす原因となった。地球から2度離れたことで、探査機はディープ・スペース・ネットワークの地上アンテナで信号を受信することも、データを送信することもできなくなった。
NASAの探査機ボイジャー2号は、1977年に双子の探査機ボイジャー1号とともに打ち上げられた。ボイジャー1号より16日早く打ち上げられ、当初は木星と土星を調査する5年間のミッションが課された。この探査機は最終的に天王星と海王星のフライバイを実施し、2018年に太陽系を離れ、恒星間飛行に突入した(ボイジャー1号は2012年に突入)。
だが、NASAはまだボイジャー2号を見捨てていない。NASAでは、今回のような事態を想定して、探査機の向きを毎年何度もリセットするようプログラムしている。次のリセットは10月15日に予定されており、すべてが順調にいけば、その時点で双方向通信が再開されるはずだ。それまでは、NASAは探査機が何事もなく現在の軌道を進むことを期待している。
NASAの太陽と宇宙のアカウントからの最近のツイートは、ディープスペースネットワークがボイジャー2号からのキャリア信号を拾い、探査機が元気であることをチームに知らせたと述べている。NASAのジェット推進研究所でボイジャーのプロジェクト・マネージャーを務めるSuzanne Dodd氏は、この “鼓動”が彼らの気分を高揚させたと語った。
ボイジャー1号は、まだ通常通りである。2023年8月1日現在、ボイジャー1号は地球から238億キロメートル以上離れた、人類が作った最も遠い構造物となった。NASAは、ボイジャー1号が電力不足に陥るまで、少なくとも2025年まで活動を続けることができると考えている。また、NASAでは昨年、探査機の寿命を延ばすため、観測機器のスイッチを切り始める指令を与えている。
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