最近リリースされたChrome 115には目立った新機能はないが、トラッキングCookieを取り除くのに役立つものが追加されており、CookieからGoogleが推進する「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」への移行がここから本格的に始まることとなる。
ブログの投稿で、Googleは数日中にPrivacy Sandbox APIを有効にし始めると発表した。これらのAPIは、Chrome 115をインストールしているユーザーのごく一部に展開され、時間が経つにつれて徐々に増えていくだろう。
まずGoogleは、プライバシーサンドボックスの取り組みの一環として「関連性と測定のAPI」を2023年7月24日の週から段階的に有効化していく。その後、閲覧履歴を元に興味・関心を推測する機能である「Topics API」を始め、合計6つのAPIが追加される予定だ。
同社は2019年にプライバシーサンドボックスでブラウザのクッキーを取り除く計画を立てた。このプライバシー機能は、広告主がオーディエンスをターゲットにすることを完全に止めることを意図しているわけではないが、広告主がアクセスできる個人データを制限するように設計されている。2023年5月、Googleはプライバシーサンドボックスのリリース計画を明らかにし、そのプロセスは2023年7月下旬に始まると述べていた。その日がついにやってきた。
プライバシーサンドボックスは、7月24日の週から、まずChrome 115ユーザーの35%で有効になるようだ。その後、Googleは、8月初旬までにその合計を徐々に60%まで引き上げる予定だ。そして、Privacy Sandbox Relevance and Measurement originのトライアルは2023年9月20日に終了し、8月中旬には99%まで到達する見込みだという。
Chromeは自動的にChrome 115にアップデートされるので、ユーザーが何かをする必要はない。しかし、もし登録したいのであれば、Googleは以下のように説明している:
ChromeとAndroidでプライバシーサンドボックスの関連性と測定APIにアクセスするには、開発者は登録と認証プロセスを完了する必要があります。これはAPIにアクセスするための必須要件となるため、できるだけ早くプロセスを開始することをお勧めします。
ローカルテストのために、Chrome 116からChromeフラグとCLIスイッチによる開発者用オーバーライドを提供しています:
フラグ:chrome://flags/#privacy-sandbox-enrollment-overrides
CLI: -privacy-sandbox-enrollment-overrides=https://example.com,https://example.co.uk,…
Googleによると、試用期間が終わる前に登録すれば、移行期間はシームレスになるはずだという。同社はまた、2024年第3四半期までにサードパーティのCookieを完全に廃止する予定であるとしている。
Sources
- Chrome Developer Blog: Shipping the Privacy Sandbox relevance and measurement APIs
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