2023年3月、米国でテストが開始されたGoogleのChatGPT対抗AIチャットボット「Bard」が、新しいPaLM 2大型言語モデルを使用してパワーアップを果たし、利用可能な地域を拡大して提供されることが明らかになった。また、利用に際してはウェイティングリストへの登録は不要で、対象地域ならば誰でも利用可能だという。地域は今後さらに追加される予定だ。また、日本語と韓国語のサポートを追加し、近日中に40言語のサポートを追加する予定だという。
OpenAIがChatGPTを発売後にGPT-4でアップグレードしたのと同様に、Bardも内部的に大幅なアップグレードが行われている。Googleによると、Bardは、Googleの新しい大規模言語モデルPaLM 2を搭載しており、「高度な数学と推論スキル」とより優れたコーディング能力を可能にしているとのことだ。以前は、BardはGoogleのAIモデル「LaMDA」の軽量版が使用されていたが、ChatGPTやBingに比べてその性能が貧弱であると批判を浴びていた。
加えて、Googleは、BardにGoogle Lensを統合することを予定しており、これによりユーザーはプロンプトに写真や画像を含めることができるようになる。Bardのデモページでは、Googleは犬の写真をアップロードして、Bardに “この2人について面白いキャプションを書いて”と依頼する例を示している。Bardは写真を分析し、犬の品種を検出し、必要に応じて面白いキャプションを作成するとのことだ。
さらに今後、Bardがコードを提供する際には、引用が含まれるようになる。「Bardがコードのブロックを持ってきたり、他のコンテンツを引用したりする場合、注釈をクリックするだけで、Bardはレスポンスのそれらの部分に下線を引き、ソースにリンクします」とGoogleは書いている。また、コードのエクスポートボタンやダークテーマも追加された。これらは、サービスをより良く利用したい方にとって、優れた機能だろう。
3月に発表されたChatGPTプラグインと同様に、GoogleはBardに拡張機能を追加し、チャットボットが外部リソースにアクセスできるようにする計画だ。Googleは、Kayak、OpenTable、ZipRecruiter、Instacart、Wolfram、Khan Academyといった他のサービスプロバイダーと提携してBard用の拡張機能を構築中で、チャットボットの機能を大幅に拡張できるはずだと述べている。
さらにGoogleは、Docs、Drive、Gmail、Mapsといった既存のアプリケーションの機能を、時間をかけてBardのユーザー体験に統合していくとしている。同社によれば、ユーザーはBardの回答を直接GmailやDocsにエクスポートすることができ、コピー&ペーストの時間を節約し、「メールや文書の下書きを先取り」することができる。また、I/OのプレゼンテーションでGoogleは、Stable Diffusionに似たAI画像合成モデルであるAdobe Fireflyの拡張機能を用いて、Bard内で誕生日パーティー用のユニコーンの画像を生成する例を示している。
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