8GB DDR5の契約価格が2022年まで43%下落

masapoco
投稿日
2023年1月1日 8:27
04 gskill ddr5 trident z5 neo series

台湾の情報誌DigiTimesによると、2022年末のDRAM市場は引き続き厳しい状況にあるようだ。同誌によると、DRAMのスポット価格は今年に入ってから40%も下落している。特に、DDR4およびDDR3メモリICのすべてのサイズのスポット価格は、2022年中に大幅な下落を記録している。中でも最新の8GB DDR5 RAMモジュールの契約価格が今年2月末から10月にかけて43%下落したという観測は、自作PCを作りにあたっては興味深いのではないだろうか。

業界の理想としては、AMDとIntelの最新プラットフォームのサポートにより、2022年にPC業界全体がDDR5システムメモリに移行しているはずだった。しかし、新しいCPUやマザーボードなどに加えて、新たなメモリまで追加するとなると、その支出はかなりものになる。最新世代のIntel CPUでは、AMDのように思い切ったことをせずに、DDR4及びDDR5をサポートしているため、一部のマザーボード・メーカーは、最新世代のIntel CPU向けに、DDR4またはDDR5をサポートする構成の同一のマザーボードを提供していた。

8ヶ月で8GB DDR5モジュールの契約価格が43%下落したことは印象的だが、実際の価格はどうだろうか。

価格コムのデータによると、例えばG.SkillのF5-5600J4040C16GX2-RS5Kなどは、2022年4月時点で49,700円だったものが、直近では22,530円と半額以下になっている。ただし、DDR4との価格差は依然として大きく、同容量ではDDR5は、やはりDDR4の2倍前後で推移しているようだ。

DRAM市場に話を戻すと、DigiTimesのレポートによると、この半導体ビジネスセグメントには、現在のところ回復の兆しが見えないという。現在、最も大きな影響を受けているのは、DRAMメーカーが過剰在庫を抱えていることと、デバイスメーカーが発注に慎重になっていることである。先月、MicronがDRAM(とNAND)の減産を行い、価格を押し上げようとしていることが報じられたが、あまり効果がないようだ。第3四半期、DRAMメーカーは四半期ベースで30%の減収を報告したが、2022年第4四半期の数字も芳しくないことは確かだろう。

DigiTimesによると、TLC NANDのウェハー価格は下落傾向が続いており、前四半期には20%も下がり、このチップの生産は不経済になり始めているという。しかし、SLC NANDの価格動向は、堅調なようだ。

上記のようなDRAMとNANDの価格動向は、消費者にとっては諸刃の剣だ。私たちは、小売店でより安価なRAMとフラッシュストレージを購入したいと考えるが、企業がその生産から持続可能な収入を得ることも必要だ。そうでなければ、企業は製造を停止し、最終的には極端な値上げに繋がる可能性もある。


Source



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • warp lightspeed
    次の記事

    我々の時間に関する概念を覆す超光速の物理学に関する新たな研究

    2023年1月2日 6:53
  • 前の記事

    TSMCの3nmプロセスは60%から80%の歩留まり率であるとの専門家予想

    2023年1月1日 7:09
    img 1508086317 44699

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • sk hynix complex fab image

    SK hynix、「世界最大のメガファブコンプレックス」に総額13兆円を投資、2027年に最初のファブが稼働へ

  • liquid metal ram

    液体金属を使った世界初の“完全にフレキシブル”なメモリの開発に成功

  • MICRO LPCAMM2

    Micron、LPCAMM2を発表 – コンパクトで電力効率に優れたノートPC用メモリモジュール規格

  • SK hynix、HBM4広帯域メモリの開発を2024年に開始することを確認

  • CAMM 32GB F

    ノートPC用RAMの新たな規格「CAMM2」がJEDEC標準の承認を受ける

今読まれている記事