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発表から5年、テスラがついに電動トラック「Semi(セミ)」を初納車 – まずはペプシに100台

Elon Musk(イーロン・マスク)CEOがTeslaの電動トラクタートレーラー「Semi」を正式に発表してから5年。ついに同社はネバダ州ギガファクトリーで行われた「Semi Delivery Event」にて、Pepsiに初の公式生産車を納車した。Pepsiは計100台を発注している。

発表会では大きなサプライズはなかった。

Teslaは、2017年にSemiのプロトタイプを初めて発表したときに表明していたスペックを忠実に実現している。

同社はまず、電動トラックを導入する意義を説明した。アメリカの事情で言うと、全自動車中でトラックが占める割合は1%に過ぎないが、トラックが排気ガスの排出量で20%も占めている現状を指摘し、電動トラックへの移行により排気ガスの削減に大きく貢献することをアピールした。

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とはいえ、性能を犠牲にするわけにはいかず、市場にインパクトを与えるためにもディーゼルトラックと同等以上の性能を実現することが必要とされていた。そして同社はそれを実現したとしている。

Semiは、Tesla Model SやModel X Plaidと基本的に同じトライモーター・ドライブトレインを使用している。

Tesla Semi drive train

Tesla SemiのプログラムマネージャーであるDan Priestley(ダン・プリーストリー)氏によると、Teslaは高速道路での最高効率を目指し、1つのモーターを巡航速度に、残りの2つのモーターを加速時のトルクに使用し、これまでのトラックにはない滑らかな走りを実現したと説明している。

Semiの動力性能については実際の動画を見るのが早いだろう。Teslaは、82,000ポンド(37,194kg)を積載したTesla Semiが、傾斜6%の道路でディーゼルトラックを難なく追い越す動画を共有している。

また、航続距離も重要になる。発表当初から公約していた、1回の充電で500マイル(804km)の走行を実現するという公約ももちろん果たされた。

同社は、トラクターで総重量82,000ポンド(37,194kg)弱の荷物を満載して500マイルの旅をしたデータを公開した。ベイエリアで97%の充電状態でスタートし、サンディエゴに到着した時点では、まだ4%のバッテリー残量だったという。

tesla semi battery

Teslaは、1マイルあたり2kWh以下の効率を達成できることを改めて説明した。また、同社が開発した1MW(メガワット)の新充電技術により、約500マイル走行後にバッテリーパックを使い切った後は、超高速充電が期待できる。この新しい超高速充電技術は、Cybertruckも対応すると述べている。

その他、内燃機関にはない電気自動車の利点として、トラックの安全性を大幅に向上させる回生ブレーキや、電気モーターのミリ秒単位の反応時間によるトラクションコントロールの強化などを挙げていた。

Teslaはまた、トレーラーへのラッチを容易にする自動サスペンションダンプ、立ち乗り可能なキャビン、検査のための簡単なライトチェックなど、Tesla Semiのドライバーのためのいくつかの生活の質を高める機能を発表した。

TEsla SEmi interior

Semiは、まずはペプシに納車されるとのことだ。

Tesla Semi Frito Lay

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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