Amazon(アマゾン)が約1万人規模の人員削減を計画しており、早ければ今週にも開始されるとThe New York Timesが報じている。人員削減の対象は、Amazonの自社製デジタルアシスタント「Alexa」を含むデバイス関連部門が主なようだ。
- The New York Times: Amazon Is Said to Plan to Lay Off Thousands of Employees
この発表は公式な物ではないが、もし事実であった場合、Eコマース企業の歴史上、最大の削減となる可能性がある。Amazonの150万人以上いるグローバル従業員の1%未満ではあるが、それでも1万人という数字はインパクトが大きい。
世界中が経済的混乱に向かうなか、テック業界での大規模な人員削減がここ数週間で相次いでいる。先週、Metaは11,000人以上を解雇すると発表した。Lyft、Stripe、Snapchatはいずれもここ数カ月で従業員を解雇している。そして、Twitterも従業員数を半減させたが、同社に残っている人たちも、CEOのElon Musk(イーロン)氏曰く「倒産の危機」にさらされているといい、状況は芳しい物ではなさそうだ。
歴史的に見ると、ホリデーシーズンは通常、Amazonにとって安定を意味する。しかし、今年、同社は経済状況の悪さを理由に、すでに新規の採用を凍結している。
Amazonは過去2年間に従業員を倍増させ、パンデミックによってEコマースの需要が急増したため、拡大路線に舵を切った。しかし、その後のインフレと人々のコスト削減意識への変化により、Amazonの成長はこの20年間で最低の速度に鈍化した。
Amazonは何千ものAlexa対応製品を販売しているが、同社の収益全体で見るとかなり低い利益率の製品だ。その代わり、Amazonはこれらの製品を、顧客が他の方法で消費する可能性が高いAmazon経済圏に取り込むための手段として見ている。デバイスを安価に販売して、ソフトウェアなどで稼ぐというPlayStationの方法にも似ているだろう。
だが、同様に大幅な人員削減を行ったMetaも、開発中のいくつものデバイスについて、社内では中止が下されたとの情報もある。
高いインフレ率、経済成長の鈍化、エネルギー危機などによる不透明な世界情勢の中で、稼げる分野に投資を集中し、安定を図ろうとするのは、企業の動きとして当然の物かもしれない。
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