Amazonブラックフライデー開催中です。こちらから購入頂くと当サイトの運営の応援に繋がりますので、よろしければ是非!!

新たな研究によって、古代のカエルはセックスのしすぎで死んだことが判明

ドイツのガイゼルタールコレクションの化石標本を見ている筆者 (Image Credit: Daniel Falk, Author provided)

かつてカエルは恐竜と一緒に暮らしていた。この小さな生き物が恐竜の絶滅を生き延びたと思うと、信じられない思いだ。しかし、ドイツ中部のガイゼルタール地方で低レベルの大量死が起こった。その原因は長い間謎のままだった。

ガイゼルタールの4500万年前の湿地帯にある集団墓地から何百ものカエルの化石が発見されたが、その存在理由は何十年にもわたって科学者を困惑させ続けていたのだ。しかし、私の研究チームは、交尾中に疲れ果てて死んだのではないかという仮説に至った。

また、現代のカエルの交尾行動が少なくとも4500万年前にさかのぼるという証拠も得た。他の場所で発掘された大量のカエルの化石には、ガイゼルタールの標本と同様の特徴が骨格に見られるのだ。

私たちが見つけたもの

私のアイルランドとドイツの研究チームは、カエルの骨格の化石を研究した。私たち古生物学者は、写真を撮ったり、絵を描いたり、化石を分析したりした。どれだけの骨が残っているか、どの骨や関節が残っているかを調べた。

これらのデータから、カエルの骨格が死後どうなったかを明らかにし、その理由を解釈することができたのだ。また、1つの堆積物層から多くの骨格が見つかり、ほとんどのカエルの化石が大量死現象(短時間に何百匹ものカエルが死ぬ現象)を起こしたことが分かった。

他の科学者は、ガイゼルタール産のカエルは湖が干上がり、酸素濃度が急激に低下したときに死んだと考えていた。しかし、私たちの研究では、カエルは容易に近くの水域に移動できたので、その可能性は低いことがわかった。また、カエルの死骸は湖底に沈むまでしばらく水に浮いていた証拠も見つかった。つまり、湖が乾燥したわけではないのだ。

file 20220816 2693 vyi0qu
古代のガイゼルタール産のカエル (Image Credit: Daniel Falk, Author provided)

ガイゼルタール産カエルの骨格を現代のカエルと比較したところ、ほとんどのガイゼルタールのカエルはヒキガエルであることがわかった。ヒキガエルは、交尾のために池に戻るとき以外は、陸上で生活している。熱帯のカエルは数時間という短い交尾期間中に、多くのカエルと交尾をする。

現代の熱帯地方の種では、交尾は数時間しか続かない。疲労困憊して溺死する個体も少なくない。メスのカエルは、1匹以上のオスによって水中に沈められることが多いため、溺死の危険性が高くなる。今日でも、ヒキガエルの集団墓地は移動ルートや交尾池の近くや中で発見されている。ガイゼンタールの標本も同じ状況であったと思われる。

死骸は湿地帯の湖で軽い潮流にのって移動し、寒くて深い、人の手が入っていない領域で湖底に沈んだ。気温が低いため(おそらく8℃前後)、腐敗が進まず、多くの骨格が良好な状態で保存されていた。指の骨や足の指の骨など、小さな骨までしっかりと残っている骨格もある。

凍死や病死、老衰で亡くなったカエルもいたかもしれない。この3つの死因を確認するのは難しいので、カエルたちが墓場まで持っていった情報なのだ。しかし、これらの化石を何ヶ月もかけて研究し、彼らの生活様式についてわかっていることを分析した結果、私のチームは驚くべき結論に達した。

異なる池でほぼ同時に死んだ数百匹単位のカエルのグループが複数存在するのは、熱心な交尾によって死んだというのが最も有力な説明である。世界各地で同じような集団墓地が発見されている理由も、これで説明がつく。

ドイツのガイゼルタールの化石コレクションは数十年間閉鎖されていたが、最近になって一般と科学者に開放された。これは、かつてガイゼルタールのリグナイト(褐炭)露天掘りの鉱山で産出された5万点を超える化石を集めた驚くべきタイムカプセルである。

化石には、ワニ、巨大なヘビ、飛べない巨大な鳥、犬サイズの原始馬などが含まれている。ガイゼルタールの化石の多くは保存状態が非常によく、骨、うろこ、皮膚、内臓、腸の内容物など、驚くべき詳細が確認されている。

2000年代前半にレクリエーション地域を作るために鉱山は水没し、現在は巨大な湖になっている。

カエルが当たり前の存在だと思わないで

これらの交尾死は極端に聞こえるが、カエルやヒキガエルの死亡のはるかに一般的な原因は、人間が彼らの家を破壊し、水源を汚染し、病気を蔓延させることなのだ。

カエルは、地球上のいくつかの気候変動や絶滅の危機を乗り越えてきた。しかし、いくつかの種は絶滅してしまった。2021年、古代の両生類の系統でわずかに残っていたカエルの1種が、60年間姿を見せず、絶滅した可能性が高いとされた。

2019年の国連の報告書では、両生類、特にカエルが自然危機の影響を最も強く受けていることが示されている。カエルは、池の環境条件が変われば、短距離を移動することができます。しかし、自然に対する人間の影響によって引き起こされる病気には弱い。

カエルは、木の上や花の中、ジャングルや砂漠など、ほぼどこにでも生息している。虹のようにカラフルなものや、空を飛ぶことができるものもいる。T-REXの隣で餌を食べる姿を想像してみて欲しい。これ以上、種が失われるのは悲劇だ。

本記事はThe Conversationに掲載された記事「Ancient frogs in mass grave died from too much sex – new research」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。

著者紹介
daniel falk

Dr. Daniel Falk

Geology / Palaeontology PhD candidate, University College Cork

子供の頃から恐竜の科学者、古生物学者になりたかったんです。2014年、私はそれを実現しました。現在は恐竜ではなく、始新世の個体やその骨格タフォノミー、軟組織保存を扱っています(ドイツの「ガイゼルタール・コレクション」)。しかし、恐竜の発掘はもちろん、堆積学、層序学、古代生態系の復元、博物館学などにも強い関心を持っています。ペルム紀の生態系も研究しています。

2018年10月~現在コーク大学(アイルランド)生物・地球・環境科学部地質学博士課程在籍。博士論文。始新世ガイゼルタールコンサーバット-ラガーシュテッテ(ドイツ)のタフォノミー。

2016年2月~2018年2月国立カールスルーエ自然史博物館(ドイツ)。科学研修生・ボランティア(フルタイム)。コレクション作業、研究、博物館教育(ガイドツアー、プレゼンテーション、教育学)、展示作業。

2014年11月~2015年11月BEAK Consultants GmbH Freiberg (ドイツ)。鉱石調査・探鉱を中心としたドイツ国内外でのエンジニアリング業務。

2011年12月~2014年9月2011年12月~2014年9月:ベルガカデミー・フライベルク工科大学(ドイツ)にて地球科学修士課程を修了。主な科目:応用古生物学と層位学。学位論文(一部公開)。南ペルム紀のホーンブルグ層の堆積学、古生物学、環境復元(グアダルピアン後期、ペルム紀)。

2008年10月~2011年12月フライベルク工科大学(ドイツ)にて地質学/鉱物学の理学士号を取得。学位論文(一部公開)。ミュンヘハーゲン(ニーダーザクセン州)の白亜紀後期(ベリアシオン、ビュッケベルク形成期)の恐竜トラックウェイの堆積学および 3 次元モデリング。

Webサイト : https://www.ucc.ie/en/mariamcnamara/

TEXALでは、テクノロジー、サイエンス、ゲーム、エンターテインメントなどからその日の話題のニュースや、噂、リーク情報、レビューなど、毎日配信しています。最新のニュースはホームページで確認出来ます。GoogleニュースTwitterFacebookでTEXALをフォローして、最新情報を入手する事も出来ます。記事の感想や、お問い合わせなども随時受け付けています。よろしくお願いいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

コメント

コメントする