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米国の次世代戦車「エイブラムスX」はハイブリッドパワープラントを搭載し様々なメリットを享受する

地球温暖化対策に取り組まなければならないのは、例え兵器と言えども例外では内容だ。米国のGeneral Dynamics社が発表した「エイブラムスX(Abrams X)」と名付けられた新たな戦車は、新しいハイブリッドパワープラントにより、50パーセント少ない燃料でこれまでと同じ戦術的距離を実現することができるのことだ。

次世代戦車「エイブラムスX」

General Dynamics社がワシントンD.C.で開催されるアメリカ陸軍の年次総会と博覧会で展示する予定の次世代戦車エイブラムスXでは、その優位性が明らかになった。

エイブラムスXは、ディーゼル電気ハイブリッド推進システムを搭載しており、燃料消費を半減させることで大幅な燃料節減が期待されている。電気推進は、この戦車にサイレント・ウォッチ機能を追加し、低速で静かに移動するオプションも提供する。

発見されることを避けるだけでなく、この新しく追加された能力は、乗員が相手に対して優位に立つために使用することもできる。ウクライナ紛争で見られたように、戦車の損失は特に大きく、レガシーデザインは大規模な軍隊の紛争に不利に働く。

タンクの改良

興味深いことに、推進力の変更は、戦車の設計の改善にも道を開いている。The Driveによると、現在運用されているエイブラムス戦車の最新鋭、M1A2の重量は73トン以上あり、船や飛行機への搭載が困難である。その軽量化を求める声は、米陸軍の新型機動支援艦の募集に反映されている。

これを実現するためのもうひとつのアプローチが、エイブラムスXの乗組員のサイズを小さくすることだ。General Dynamics社は、具体的にどのようにそうするつもりなのか、まだ明示していない。しかし、他の軍に倣って、エイブラムスXはこの作業に乗員を配置する代わりに自動装填装置を使用することになりそうだ。

そうすることで、General Dynamics社は砲塔を再スケール化し、戦車の重量とサイズをさらに減らすことができる可能性がある。同社が公開したレンダリング画像では、車体の周囲に多数のカメラが配置されており、車内にいる乗員に360度の状況認識能力を提供することができそうだ。また、F-35で採用されているように、拡張現実(AR)を利用して、カメラからの映像を直接ヘルメットのバイザーに送ることも可能であると、The Driveは伝えている。

さらに、ハイブリッドパワープラントはエイブラムスXに限らず、近い将来、マイクロ波武器を誇るStrykerファミリーの車両にも搭載される予定だそうだ。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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