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NASAが探査機を小惑星に衝突させる歴史的なテストに成功、地球防衛のための大きな前進

NASAの探査機が小惑星ディディモスの衛星ディモルフォスに衝突し、軌道を変えるという大胆な惑星防衛ミッションは、今日、歴史的な大成功を収めた。小惑星を軌道からはずすという世界初の試みは、世界初の成功となり、将来、危険な小惑星をどのようにそらすかの重要な練習台と見られている。

DART (Double Asteroid Redirection Test) ミッションは、地球から約1,100万km離れた二重小惑星系の一部であるディモルフォスを周回する衛星ディディモスの軌道を変更しようとするものであった。この小惑星は、地球との衝突の危険性はないものの、衝突に備えるには理想的な候補だった。DART探査機は昨年11月に打ち上げられ、今日、劇的な形でその10ヶ月の旅を終えた。

時速時速22,500kmを超えるスピードで目標に照準を合わせた探査機は、最後の瞬間まで、映像を地球に送信し続けた。衝突の20分ほど前、ミッションコントロールは探査機がディモルフォスに「正確にロック」されていることを確認し、重要なマイルストーンを祝った。。

衝突5分前、チームはさらに緊張するようなマイルストーンを祝った。この時点から、チームは探査機にそれ以上のコマンドを送ることができなくなり、搭載されたナビゲーションシステムが小惑星に接近したときの画像を撮影し、その画像を使って探査機自身が、目標に自律的に衝突するようになっていた。

DARTの映像は、画面上でディモルフォスの表面がどんどん大きくなっていき、衝突するまで送信し続けられた。その後、信号が途絶え、小惑星への衝突と探査機の破壊が確認されると、チームは祝賀ムードに包まれた。これらの画像は、今後数日間かけて回収され、ディモルフォスの構造をより深く理解するために研究される予定だ。

DARTがどれだけディモルフォスの軌道をずらすことができたかについては、2週間前に打ち上げられた近くのキューブサットで撮影し、地上の望遠鏡を使った長期的な科学プロジェクトが進行中だ。これらの観測所は、二重小惑星系を監視し、その結果数分短くなると予想されるディモルフォスの軌道を正確に測定する予定となっている。

また、2024年には欧州宇宙機関(ESA)が別の探査機を連星系に打ち上げ、DART衝突の影響を間近から調査する予定だ。NASAによる本日の歴史的ミッションの放送は以下の動画で確認出来る。衝突の瞬間は、動画の1時間16分の部分で見ることが出来る。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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