iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxにのみ搭載される、Appleの新たなモバイルチップ「A16 Bionic」 は、期待されていた3nmプロセスへの移行がなく、「性能アップはほとんど見られない」と一部では言われていたが、Geekbenchの最新テスト結果によると、CPUはシングルコアおよびマルチコアベンチマークで引き続き順当な進化が見られた。GPU性能については未だ明らかでなかったが、最新のAnTuTuの数値によると、今回も大幅な性能アップが見られるとのことだ。
A16 BionicはGPUとNeural Enginesのコア数は、A15 Bionicから変わらないことが分かっている。しかし、最新のAnTuTuベンチマークでは、AppleのiPhone向け最新フラッグシップSoCがGPUカテゴリで健全な進化を遂げていることが明らかになった。ベンチマークテストの結果は、AnTuTuの公式Weiboアカウントで共有されており、それによるとiPhone 14 Proが978,147の総合スコアを獲得したことが明らかになった。
AnTuTuは、各コンポーネントの性能の内訳を個別に開示しており、それぞれの性能向上がどの程度なのかが明らかになっている。CPUテストでは、A16 Bionicは246,572ポイントを獲得し、GPUテストでは、408,723ポイントを獲得している。A15 Bionicを搭載したiPhone 13 Pro Maxは、CPUテストで214,394ポイント、GPUテストで318,962ポイントとなっている。
CPUスコアを比較するとそれほど大きな差は見られないが、GPUは大きな変化が見られる。Geekbenchでも、A16 Bionicのマルチコアスコアが、A15 Bionicと比較して13%アップになったことをお伝えしたが、AnTuTuの結果も同様の数値を示している。
性能アップに加えて、A16 Bionicチップでは電力効率も向上していることは見逃せない。これは、新たなアーキテクチャの採用が影響していると思われる。特に、iPhone 14 Pro Maxは、iPhone 13 Pro Maxに比べてバッテリー容量が低下しているにもかかわらず、バッテリー持続時間が1時間増えている事は驚きだ。普段の処理は、より効率化が進められ、極力バッテリーを抑えつつ快適に動くようになっているのだろう。しかし、ゲームなどの負荷の高いものを実行する場合、プログラムによってA16 Bionicはパフォーマンスを解き放ち、比類なきグラフィック性能を発揮するようになっている。
最新チップの性能を、毎回大いに誇っているApple が、今年の基調講演では A16 チップについてあまり言及しなかったことから、あまり性能向上はないのかなとの予想もあったが、特にGPU性能は予想を大きく上回る向上が見られている。
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