Samsungは、待望の990 ProシリーズSSDを発表した。この製品は、“ゲームやクリエイティブなアプリケーションに最適化された” 高性能なNVMe M.2 2280 SSDだ。発表に先立ち、このSamsungの990 ProシリーズSSDがPCIe 5.0インターフェイスを採用することが期待され、それを示唆するような情報も流れていたが、少なくとも現時点ではPCIe 4.0対応にとどまるようだ。
990 ProシリーズSSDがPCIe 5.0インターフェイスを採用していないことは残念ではあるが、スペック的にはシーケンシャルリードが最大7,450 MB/s、シーケンシャルライトが最大6,900 MB/sと、従来のドライブよりも一段と高速になっているのは朗報だろう。参考までに、Samsung SSD 980 Proがそれぞれ最大7,000 MB/sと5,100 MB/sであったことから、順調なスペックアップは図られている。さらに、IOPS性能の数値は、980 Pro SSDと比較して55%も向上している。
また、同社は、Forspokenでゲームを行った場合、マップの読み込み時間は約1秒となり、SATA SSDの4秒、HDDの28秒に比べて圧倒的な速さでゲームをロードできるとしていまる。
さらに、990 Proシリーズは1、2、4TBの3つの容量で発売され、2つのバリエーションがあるとのことだ。これには、コントローラにニッケルコーティングを施し、Samsung V-NAND 3bit TLC ICにまたがるヒートスプレッダラベルを採用したモデル。そして、RGB LEDが点灯する “go-faster stripes”を備えたより頑丈な彫刻ヒートシンクを搭載した990 Pro HS(with Heatsink)モデルが展開される予定だ。
同社は、RGBヒートシンクモデルを購入する利点については、具体的なエビデンスを提示はしていない。印象としての“ヒートシンクが過熱による性能劣化を防ぐ”という主張のみだ。とはいえ、どちらのモデルでも、Samsungによると、新しいコントローラは電力効率を劇的に改善するように設計されており、SSD 980 Proに使用されているコントローラよりも50%改善されているとしている。
これまで、SamsungのSSD 990 Proは、PCIe 5.0デバイスであることを示唆する報道があった。ここ数日の間に、CorsairやGigabyteなど、他社が、最大12,400MB/sの転送速度を持つPCIe 5.0 SSDを発表していることを考えると、最大のメーカーであり、自身で“King”名乗っていた同社のフラグシップSSDがPCIe 4.0対応にとどまるのは驚きだ。これは、Samsungが自社開発のSSDコントローラを使用したいが、自社によるPCIe 5.0対応コントローラーの開発が遅れている事情もあるのかもしれない。現在出荷されているPCIe 5.0ストレージコントローラはPhison製のみだ。
小売店では、1TBと2TBのモデルが10月から販売される予定だ。米国での価格はそれぞれ179ドルと309ドルとなる。日本での告知はまだなく、未定だ。また、2023年の発売が予定されている4TBモデルの価格はわかっていない。加えて、SamsungはRGB Heatsinkモデルの価格も不明だ。
Samsung SSD 990 PRO | 990 PRO with Heatsinkのスペック
項目 | スペック |
---|---|
インターフェース | PCI Express 4.0 x4、NVMe 2.0 |
フォームファクタ | M.2 (2280) |
ストレージメモリ | Samsung V-NAND 3bit TLC |
コントローラ | Samsung製コントローラー |
容量/キャッシュ | 1TB / 1GB, 2TB / 2GB, 4TB / 4GB |
DRAM | 1GBLPDDR4 |
シーケンシャルリード/ライト速度 | 最大 7,450 MB/秒、最大 6,900 MB/秒 |
ランダムリード/ライト速度 (QD32) | 最大 1,400K IOPS、最大 1,550K IOPS |
管理ソフトウェア | Samsung Magician Software |
データ暗号化 | AES 256bit フルディスク暗号化、TCG/Opal V2.0、 暗号化ドライブ (IEEE1667) |
TBW(最大総書き込みバイト数) | 600TB, 1,200TB, 2,400TB |
保証 | 5 年間限定保証 |
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