マッチングアプリ Tinderの創業者であるSean Rad氏は、彼の新たなスタートアップ企業 Happy Health で開発した「Happy Ring」によって、人々が自分のストレスレベルを管理するための手助けをしたいと考えている。
Oura Ring、Circular Ring、Motiv Ringと同様に、Happy Ringはリアルタイムに身体をモニターするために作られたスマートリングだ。しかし、このデバイスが他と違うのは、人々のメンタルにフォーカスしている点だ。
これまでのウェアラブルはフィットネストラッカーとしての側面が強いのに対し、Happy Healthが開発した「Happy Ring」は、明確にユーザーのメンタルヘルスを重視した製品設計を行っている。そして、そのために、さまざまな生体センサーと人工知能を搭載しているのだ。
人々のメンタルヘルスを把握することは、多くのウェアラブル企業の大きな関心事だ。例えば、Appleは、UCLAと協力して、不安やうつ、認知機能の低下などの状態を特定するために、同社の消費者向けデバイスを使用しようと試みていることが報告されている。
The Vergeによると、リングにはカスタム皮膚電気活動 (EDA) センサー、4 つの皮膚電極、4 つの光波長センサー、加速度計、および 2つの温度センサーが含まれている。これらの機能により、リングは交感神経の変化を検出できるという。交感神経は、身体の活動性を生みだす神経系で、昼間や活発に活動する時間帯に優位になる。
Happy HealthのCEOで医学博士のDustin Freckleton氏は、「Happy Ringはデータをあらかじめ決められた基準と比較することはない」とThe Vergeに説明している。その代わり、AIモデルを個々人のデータに合わせて継続的に調整する。スマホアプリを通じて、そのデータをもとに、Rad氏が主張する、ストレスを管理し、気分を向上させることが科学的に証明された個人向けのエクササイズを提案するとのことだ。
このエクササイズは、走り回ったり飛び跳ねたりするようなものではない。呼吸法、瞑想など、気持ちを落ち着かせるためのアクティビティとなる。
Freckleton氏は、ハッピーリングが「医療グレード」の精度を持ち、現在市販されているスマートリングの中で最も正確であると主張している。
ただし、メンタルヘルスの問題に関しては、どんなウェアラブルデバイスも実際のセラピーの代わりにはならないことに注意する必要がある。Happy Ringは、現在米国でのみサービスを行っており、3段階のサブスクリプションモデルを提供している。ハードウェア自体にお金を払う必要はない。アプリとリングの利用料を含めて、月額30ドル、年額24ドル、24ヶ月の月額20ドルのサブスクリプションとなっており、契約期間が長いほど安くなる。
ウェアラブル市場は競合他社がひしめいているため、他社との差別化を図ることが成功のカギとなる。Happy Ringは現在需要が供給を上回っており、ウェイティングリストに登録する必要がある。どうやらRad氏のメンタルヘルスへのフォーカスは、実際に消費者のニーズをとらえているようだ。
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