世界初のARスマートコンタクトレンズがテスト開始

© Mojo Vision

ARヘッドセットは、既にMicrosoftがHolo Lensを出していたり、Appleが2023年にも出すとの話があるが、いずれも「ヘッドセット」というように、頭にかぶって使用する物で、当然のことながらそれはかさばる。しかし、未来ではそんな邪魔になる代物は必要なくなるだろう。もしかしたらARメガネですら必要なくなるかも知れない。スマートコンタクトレンズを使えば、眼球のすぐそばに拡張現実が現れるのだ。

多くの機能を驚異的なサイズに凝縮した「Mojo Lens」

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レンズは、電子部品の大部分が鼻の横に位置するように装着され、周辺視野の外縁を保護する(出典:Mojo Vision)

先週、Mojo VisionのCEOであるDrew Perkins氏は、彼の会社が設計したスマートコンタクトレンズのプロトタイプテストに参加したことを報告した。その様子はまさに未来そのものだ。

スマート・ウェアラブルは、理想としては「身につけていることを忘れるくらい」小さく、軽いことだろう。もっと未来には、BMIを使って脳に直接データを送り、視覚野にARディスプレイを再現する事も出来る様になるかも知れないが、それまでは我々が想像できる最小で最もポータブルなARディスプレイは、コンタクトレンズであろう。Mojo Visionは、2015年からスマートコンタクトレンズの設計に取り組んでおり、その最新のプロトタイプMojo Lensは、このサイズでよく実現出来たなという機能を搭載した印象的な物になっている。

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コンタクトレンズとしては少し大きめだが機能を考えると小さい(出典:Mojo Vision)

Mojo Lensには直径0.5 mm未満の緑色のモノクロMicroLEDディスプレイが搭載され、1インチあたり14,000ピクセルの解像度を備えている。ARM Core M0プロセッサ、超低遅延通信が可能な5GHz無線、視線の動きを正確に追跡する加速度センサ、ジャイロスコープ、磁気センサを搭載し、視線を動かしても映像は安定したまま表示されるようになっているという。

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眼球への酸素供給もしっかりと考えられた作り(出典:Mojo Vision)

外側のリングには医療用のマイクロバッテリーが内蔵されており、最終製品版では一日中稼働できるほどの大きさになるようだ。また、電源管理回路とワイヤレス充電システムも搭載されている。加えて、「コンタクトレンズ」と同様に、非常にコンパクトに出来ているので、眼球に貼り付けても違和感がないとのことだ。

さらにMojo Visionは、目の動きで操作するハンズフリーのユーザーインタフェースを設計している。

6月23日、カリフォルニア州サラトガにあるMojoの研究所で、同社CEOのDrew Perkins氏がこの機能を備えたARスマートコンタクトレンズを装着した最初の人物となった。

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「前臨床試験を終え、潜在的な安全リスクを軽減した後、Mojo Lensを装着しました」とPerkins氏はブログで述べている。「そして、画面上のテレプロンプターで、驚くような、しかし親しみのある引用文を読むことができました。私は、Invisible Computingで未来を直接体験したのです。レンズを身につけると、感動的でした。文字通り未来を目の当たりにして、言葉を失いました。」

今後は、Mojo Visionのテスト工程が始まる。同社は、さまざまな人にこのレンズを試してもらい、そのフィードバックを製品版に反映させ、さらに開発を進めてFDAに提出し、市場承認を得る予定とのことだ。一方、同社はアプリ開発者とともに、発売時に向けたデバイスの更なる機能拡張も予定しているという。

また、Perkins氏は、ブログにて、Mojo Lensが想定している用途と未来の姿を以下のように綴っている。

Mojo Lensは、私たちの多くが当たり前のように行っている日常業務を改善することで、視覚障害者の生活を変えることを期待しています。また、アマチュアやプロのアスリートがMojo Lensを装着することで、よりスマートなトレーニングを行い、集中力を維持し、最高のパフォーマンスを発揮することができるようになることを想定しています。最終的に、これは、人々がどんな状況でも自信を持つために必要な情報へのアクセスを失うことなく、集中力を維持するために、一日中見えないアシスタントを与えることができるツールです。

Drew Perkins – The Mojo Blog
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視野内に安定したモノクロ画像を配置することで、ハンズフリーで目からインターフェイスを操作できるようになるとのこと(出典:Mojo Vision)

同社は、いつ製品が店頭に並ぶ予定かはまだ明言していないが、IEEE Spectrumのインタビューで、Mojoの製品・マーケティング担当上級副社長のSteve Sinclair氏は、価格はハイエンドのスマートフォン程度になるだろうと見積もっているようだ。また、特定の方向で動作するように設計されているため、装着には少し手間がかかるとのこと。

ARヘッドセット自体はまだ初歩的なレベルだが、Mojoはすでに製品化に近付いているようなので、もしこの製品がイメージ通りの機能を備えて実現すれば、ARメガネですらも陳腐化してしまう可能性がありそうだ。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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