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希少な鉱物と聞いて、恐らく多くの方が想像するのはダイヤモンドだろう。天然に存在する物質のうちで最も硬度が高く、一般的に無色透明で美しい光沢を放つこの宝石は、珍重されてはいるが、実は最も希少な鉱物はこのダイヤモンドではないのだ。なぜなら、ダイヤモンドは世界中で利用できるくらいには産出している事から、ありふれた物ではないが、これからご紹介する物に比べれば希少価値は薄れる。

では、地球上で最も希少な鉱物は何かと言えば、それは「Kyawthuite」である。これは、世界中を探してもミャンマーのモゴック地方に1つだけしか存在しない鉱物なのだ。カリフォルニア工科大学の鉱物データベースによると、2015年に国際鉱物学協会が正式に認定した小型(1.61カラット)の深いオレンジ色の宝石と説明されている。化学式としては、Bi3+Sb5+O4で表される、天然のアンチモン酸ビスマスとのことだ。ただし、Kyawthuiteについてはあまり詳しい事は分かっていない。

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Kyawthuite (Credit: Caltech)

2番目に希少な鉱物は、ペイナイトだ。濃い赤色の六角形の結晶として現れる(ただし、ピンク色の例外もある)ペイナイトは、以前より簡単に見つかるようになったが、それでもまだ珍しい鉱物であり、その化学構造は科学的に謎に包まれている。

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ペイナイトの結晶 (Credit: Rob Lavinsky, iRocks.comCC-BY-SA-3.0)

初めて採掘されたときは、その見た目からルビーと間違われたようだが、その後もっと希少である事が明らかになった。実際にルビー等の宝石と一緒に採掘されることが多いために間違われたようだ。

ちなみに、このペイナイトも前出のKyawthuiteと同様にミャンマーで産出されるというのが興味深い。

しかし、なぜペイナイトはそれほどまでに希少なのだろうか。それは、ミャンマーにしか存在しないこともあるが、本当の理由は、その成り立ちにある。ペイナイトはホウ酸塩結晶で、ホウ素を含んでおり、更にジルコニウムも含まれている。ホウ素はジルコニウムと結合しにくい性質があるが、自然界でジルコニウムとの結合が確認された鉱物はペイナイトだけなのだ。その理由はまだ不明だが、これまでにジルコニウムとホウ素がかなりの濃度で一緒に発見されたことはない。また、これらの元素は、結合しうる他の元素と比較して、一緒にいるとあまり安定しないのではないかとも考えられている。

しかし、なぜこれら希少鉱物がミャンマーから産出されるのだろうか?これはまだ明らかになっていないが、1980年代からペイナイトの研究を続けている、カリフォルニア工科大学の鉱物学教授George Rossman氏は、約1億8000万年前、古代の超大陸ゴンドワナが分裂し始めたとき、インドは北に這い上がり、現在の南アジアと衝突した。この衝突による圧力と熱で、宝石のような岩石がたくさんできた。ペイナイトをはじめとするホウ酸塩鉱物のホウ素は、この陸地周辺の浅い海から運ばれてきた可能性がある、と考えている。

ペイナイトは、以前より多く採れるようにはなった。2005年に複数の結晶が現れ始め、すべてその年の内に発見された。現在、ほとんどのペイナイトはミャンマーのウェットルー地域とテリーンタウン地域で見つけることができる。


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