今週初め、Appleが現在取り組んでいる非侵襲的な血糖値モニタリング技術の開発の進捗が良好なことが報じられたが、この研究は、Appleの内部に存在する極秘開発チーム「Exploratory Design Group」の中で行われていること、そしてこのチームについてのいくつかの興味深い情報が、Bloombergが発表した新しいレポートによって報告されている。
BloombergのMark Gurman氏によると、Apple社内で「XDG」の呼称で呼ばれている、Exploratory Design Groupは、秘密主義のAppleの中でも更に異質な存在だという。XDGは “Appleのスタートアップとして運営されている”と説明しており、既存のAppleデバイスにおける重要な貢献はこのチームからもたらされたとのことだ。
XDGの発足は数年前にさかのぼる。チームは主に「エンジニアと学者タイプ」の人材が「数百人」所属し、昨年末に急逝したAppleで数少ないエンジニアリングフェローの肩書きを持つBill Athas氏によって率いられていたという。チームはApple Parkのリングのすぐ外側にあるTantau 9と呼ばれる建物で作業を行っているそうだ。
XDGは、組織的にはJohny Srouji氏が率いるAppleのHardware Technologies Groupに属する形で運営されている。日々の運営は、一握りのエンジニアと科学者が中心となって行っているとのことだ。
そして当然のことながら、XDGはAppleの中でも更に強力な秘密主義を課されている。
チームはスタートアップとして運営されていますが、それでもAppleの他の部門と同様に区分けされています。XDGのあるプロジェクトで働く人々は、別のプロジェクトに配属されているXDGの他のメンバーと仕事についてコミュニケーションをとることが許されていないのです。
しかし、チームのメンバーは個々のプロジェクトではなく、スキルセットによって組織化されています。つまり、1人のエンジニアが1つの製品ではなく、自分のスキルに合った複数のプロジェクトに携わることができるのです。
Bloombergは、XDGがAppleの非侵襲的な血糖値モニタリング技術に “主に注力している “と説明しているが、”他にもいくつかのプロジェクトが進行中”としている。同紙によると、XDGは次世代ディスプレイ技術に加え、Appleのヘッドセット向けに “目の病気の人を助ける”ARやVRの機能にも取り組んでいるとのことだ。
また、XDGチームは、チームが発足した当初の理由の1つである「スマートフォン向けの低消費電力プロセッサ技術や次世代バッテリー」にも取り組んでいるとのことだ。”XDGが開発したチップやバッテリー技術の多くは、iPhone、iPad、Macで何年も前から出荷されている”と、本日のレポートには書かれている。
XDGのスタッフには膨大な財源と無数のアイデアを探求する余裕が与えられており、iPhoneやその他のAppleデバイス製造エンジニアリングチームとは異なる権限を与えられ、アイデアが実現可能かどうか判断するまでプロジェクトに取り組むことが出来るとのことで、Appleの中でもかなり特別な存在なようだ。
Source
- Bloomberg: PowerOn News Letter
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