Facebookが2021年にその社名をMetaと改めたのは、メタバース(Metaverse)への同社の強いコミットを対外的にも示すものだったが、それから2年、その努力はまだ結実しているとは言いがたい。
メタバースとは基本的に、自分のアバターがVR空間などで人々と交流できる世界のことだ。もちろん、メタバースにいるためには、Metaが販売しているVRヘッドセットが必要だ。周知の通り、メタバースはまだ大規模には存在しておらず、VR機器の販売に関する新たな調査によれば、この市場は成長どころか縮小していることが明らかになっている。それでもMetaは社運を賭け、この取り組みに数十億ドルを投じている。
調査会社CircanaがCNBCに語った最新のVR機器の販売に関する調査結果によると、2023年のVR機器とMRメガネの売上は、昨年に比べて40%減少したという。昨年は合計で2%の減少にとどまったため、これは急落と言えるだろう。2022年には、VR/ARはまだ10億ドルの市場だったが、現在は明らかにそうではない。同時にCNBCは、MetaのVR/AR事業は2023年第3四半期だけで37億ドルの損失を出し、2年前に同社がブランドを変更して以来、損失は合計で250億ドルを超えたと報じている。
衰退の理由は、人々が使う魅力的なデバイスの不足と、誰もが遊びたい、使いたいと思うキラーアプリ不足の両方にあるようだ。Metaは今年10月にQuest 3をリリースし、SonyはPSVR2を市場に投入した。CNBCの報道によると、Metaの最新ヘッドセットの売れ行きは、前年同期比で42%もアップするほど好調だが、Sonyの最新ヘッドセットの売れ行きは芳しくない。同時に、Appleも近い将来、3,500ドルのVision Proヘッドセットで市場に参入する予定だ。
とはいえ、Appleの市場参入はメタバース市場を拡大させるものではないだろう。Vision ProはAR/MRに軸足を置いており、現実世界のコミュニケーションを拡張するもので、仮想空間に誘うことはどちらかと言えばあまり訴求されていない。つまり、メタバースの普及はMeta次第ということだ。
現在のところ、AIの台頭が事態を少し混迷させているため、Metaの焦点がどこにあるのかは少し不明だ。3月、CEOのMark Zuckerberg氏は、同社はすべての製品にAIを搭載することに注力する方向転換を図ると述べた。これはメタバースを見放したのかとも摂られたが、Zuckerberg氏がそのような発言をした直後、同社は少し発言を撤回し、メタバースにはまだ注力しているが、実現には時間がかかるかもしれないと警告した。同社はメタバースの開発には約10年かかると予想していると述べている。
また今週、同社は将来のテクノロジーに対するコミットメントを改めて表明した:AIとメタバースだ。同社のCTO(最高技術責任者)兼VR責任者Andrew Bosworth氏は、同社はこの2つのテクノロジーがMetaの未来になることに賭けており、すでに交わり始めていると述べた。その物理的な例として、同社の新しいAI搭載メガネがある。このメガネにはAIアシスタントが内蔵されており、ユーザーの周囲の世界に関する質問に答えることができる。
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