英国の量子コンピューティング企業であるQuantum Motionは、Bosch Venturesが主導し、Porche、英国政府の国家安全保障戦略投資基金(NSSIF)、その他多数の投資家が参加した株式ラウンドで、4,200万ポンド(5,050万ドル)を調達したことを発表した。
UCLとオックスフォード大学のスピンアウト企業で2017年に設立されたQuantum Motionは、機能的で「拡張可能」な量子コンピュータを大規模に製造可能な適度なサイズで構築できる特許技術(シリコン・スピン・ベース量子ビット・アーキテクチャ)に取り組んでいる。最も早く影響を与えるのは、エネルギー材料を含む材料科学、創薬などの化学、または最適化に関連する分野で、そして、物流や交通の分野でも威力を発揮する事になるだろう。
通常のコンピュータと同様、量子コンピュータの量子ビットは熱の影響を受けるため、量子コンピュータは非常に低温に保たれる必要がある。Quantum Motionは、「極低温度での信号の生成、配線、処理」が可能な集積回路を設計したと述べている。
Quantum Motion の最新の資金調達は、量子コンピューティングの分野で活発な動きがある中で行われたものだ。この1カ月間だけでも、フランスの新興企業Pasqalが1億ユーロを調達し、イスラエルのQuantum Machinesは2,000万ドルでシリーズBラウンドを終了し、オーストラリアのQuantum Brillianceは1,800万ドルを確保した。このほかにも、フィンランドの IQM、フランスの Alice&Bob、英国を拠点とする Quantum Circuits が、過去1年間にかなりの額の VC 資金を調達している。
Quantum Motionら、量子スタートアップは、最近433量子ビットのOsprey量子チップを発表した IBM や、昨年SandboxAQを独立企業としてスピンアウトし、先週 5億ドルの資金調達を行ったGoogleなど、大手技術界でも多くの競合に直面している。その他にも、MicrosoftやIntelなども、量子コンピュータに多額の投資を行っている。
Quantum Motion は、これまでに約 2400 万ドルの株式とグランド資金を調達しており、今回新たに資金を投入したことで、メーカーとの「より深い関係」を構築し、シリコン量子プロセッサの開発を加速させる計画だという。
Quantum MotionのCEOであるJames Palles-Dimmock氏は、「私たちは、一流の技術系投資家の支援を得て、標準的なファウンドリプロセスで構築した量子コンピュータというビジョンを実現することができました。この支援は、継続的な英国の国家量子計画や欧州の取り組みと合わせて、我々の能力を一段階向上させるものです。私たちは、世界をリードするチームを結成し、資金調達とサポートが整えば、私たちのビジョンを実現するためのスケールアップの準備が整います。」と、述べている。
Quantum Motionの最新の資金注入には、Octopus Ventures、Oxford Sciences Enterprises、British Patient Capital、Inkef、Parkwalk Advisors、IP Groupからの出資が含まれている。
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