2023年に登場する、QualcommのSnapdragon 8 Gen 3は、3nmプロセスで量産されると噂されてきたが、どうやら、Qualcommは差し迫った事情により、その決断を保留している事が報告されている。そうなると、Appleが今年3nm SoCを提供する唯一の企業となる可能性を意味し、A17 Bionicの優位性が更に高まる可能性が出てくる。
スマートフォンの販売需要が減少する中、QualcommとMediaTekの両社は2023年以降の事業戦略を見直す必要が出てきている。Snapdragon 8 Gen 3の受注の大半は、歩留まり率80%という異例の数字からTSMCに委ねられる可能性もあったが、DigiTimesによれば、実際には3nmへの以降は行われない可能性があるという。
スマートフォンの売り上げが減少していることに加え、3nmウェハーのコストが2万ドルとも言われている。これは、Snapdragon 8 Gen 3を高い価格で提供せざるを得ないことを意味し、消費者が高価なフラッグシップをどれだけ望むかが不透明な中、Qualcommとしてはリスクを抱え込むことにもなりかねない。
また、Samsungは3nm GAAプロセスによるSnapdragon 8 Gen 3の出荷を提供する可能性もあり、Qualcommが最高の価格を得るためにデュアルソーシング戦略を採用しようとしていると、別の関係者が述べている。このビジネス上の決断は賢明かもしれないが、唯一の欠点は、Samsungの最先端製造プロセスの現在の歩留まり率で、これは良くて20%と、低い水準に留まっていると言われている。
Samsungが歩留まりを改善できない場合、QualcommはSnapdragon 8 Gen 3の受注の大半をTSMCに依存せざるを得なくなり、そうなると価格の譲歩がほとんど見込めないことを意味する。この場合、Appleは3nmのA17 Bionicで優位に立ち、2022年に縮まった性能と電力効率の差が再び広がる可能性にも繋がることだろう。
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